さて、まず始めたのが落書きの数々。
当時の日記には、試行錯誤状態の落書絵がいくつかUPされている。
それからネーム切り。
その間にデジコミをマスターしてしまおう、という
虫のいい作戦。
前回、安いタブレットを買って失敗したので
今回は上位機種のIntuosを買う。
また使えなかったら、と
一瞬心配が頭をよぎるが、ダメだったら長編執筆も無理!
背水の陣でのぞむ。
うーむ、難しい・・・。
線を一本引くにしても、ペンのたわみ、先の割れ方、紙の引っかかり、
描線のインクの表面張力の総合で線を引くアナログと、
ペンタブに押し付ける力の加減だけで線を引くのでは、まずもって
感覚がまったくちがう。
なんちゅーか、遊びがないというか、味気ないというか
あとはペンタブとデジタルペンで全て操作するというのにも
中々慣れない。
ついついマウスを使ってしまう。
こんな時、どうしたらいいか・・・。
「空手バカ一代」の主人公、飛鳥は
山篭りの修行でどうしても里心がついてしまうので
片方の眉毛を剃り落とした。
「それだ!」
眉毛ではなく、マウスを引っこ抜いて
片付けてしまった。
その甲斐もあって
その後もComicStudioを悪戦苦闘しつつも
なんとか使いこなしていく。
やはり習うより慣れろだ。
今になってみると、ペンタブのほうがマウスなんかより
ずっと使い勝手がいい。
古いタイプの人間なんで
「紙と墨汁以外でマンガなんか描けるか!」という
先入観もあったが、
「いい年コイた年寄りでも、デジコミできるよ!
オラより若い皆さんなら絶対できる!」
という心境です。
ComicStudioが何となく使えるようになったころ
ネームも完成した。
煩悩と熱情のおもむくままに出来たのが
新約バルディオス「アフロディアに花束を」前編。
2007年9月のことであった。