長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『恋は雨上がりのように』

2018-06-05 | 映画レビュー(こ)

女子高生が45歳の中年男性に恋をする、というプロットにうっかりポリコレ棒を握ってしまったのか、どうにも色眼鏡で見てしまった。恋に理由はなくても表現作品は恋におちる瞬間を描写できなくてはならないだろう。ヒロイン・小松菜奈は映画の冒頭からほとんど理由もなく(そう見える)45歳・大泉洋にその思いの丈をぶつけ続ける。大泉は理性的に接しようとするが、デートに行ったり家に上げたりと脇が甘く、最後の場面は間違いなく東京から江の島辺りまで遠出している。いいのか。まぁ、いいや。

とはいえ、小松菜奈のアイドル映画としては絶対的に正しい作品だ。小手先ばかりのフェティッシュな演出なぞ軽く凌駕してしまう彼女の存在感はどこか妖しさすら秘めており、その美しさはスクリーンに良く映える。彼女に「好きです!」とか言われたらこんな穏便な展開の映画にならないよ!
 おそらく小松菜奈自身の志向も高いだろうし、これまでにも十分にキャリアを積んでいるのだから、そろそろアイドル映画からは解放されていい頃合いだろう。そういう意味では貴重な1本だ。


『恋は雨上がりのように』18・日
監督 永井聡
出演 小松菜奈、大泉洋
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ラブレス』 | トップ | 『フロリダ・プロジェクト ... »

コメントを投稿

映画レビュー(こ)」カテゴリの最新記事