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スウェーデン、移民の子供たちが徐々に昏睡状態に陥る“あきらめ症候群”を追ったドキュメンタリー。今年のアカデミー賞で短編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。
迫害によって国を追われ、なかなか難民申請が下りない親の不安を子供達が感じ取っている事に原因があるらしい。中には祖国で子供自身が暴力を目撃し、極度の緊張を強いられたケースもある。いつ強制送還されるかわからない恐怖が子供の心を閉ざし、絶望させ、何か月もの眠りへと追いやるのだ。
この奇病は世界的に症例が増えており、中でもスウェーデンは際立って高いという。EU随一の福祉・人道国家に移民は大挙して流入し、その結果スウェーデンの財政は逼迫、福祉サービスの低下を招いた。移民の特権を糾弾した極右政党の躍進と、移民の受け入れ規制強化は無縁ではないだろう。
2019年はトランプが移民の親子を引き離して収監した言語道断の政策も記憶に新しい。“移民問題”と一語で書いてもそこには様々な側面があり、劣悪な収容環境が指摘されている我が国も無縁ではないだろう。何より子供たちに生きることを諦めさせる社会などあっていいはずがない。
病気の詳しいメカニズムは判明しておらず、治療法も確立されていない。しかしながら映画では難民申請が受理された数か月後に子供は目覚めている。
『眠りに生きる子供たち』19・米、スウェーデン
監督 ジョン・ハプスタ、クリスティン・サミュエルソン
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