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長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『ジョイ』

2017-12-31 | 映画レビュー(し)

ジェニファー・ローレンス、デヴィッド・O・ラッセル監督のコンビ第3作目。
1989年、ジョイ・マンガーノが手で触れずに絞れるアイデアモップを発明、通販で大ブレイクした実話の映画化だ。本作でローレンスはアカデミー主演女優賞にノミネートされた。

ジョイは2人の小さな子供を育てながら空港に勤務するシングルマザーだ。
一緒に暮らす母親はソープドラマ好きのTV狂い。リビングにベッドを持ち込み、1日中布団にくるまったままTVを見ている。彼女はある日、リビングの配管修理にやってきた黒人男性と電撃結婚をする。
家の地下室には離婚したジョイの元夫(エドガー・ラミレス)が居候している。歌手くずれの彼は毎晩、飲んだくれては二日酔いで寝ているだけだ。
父ルディ(ロバート・デニーロ)は工場経営者。出会い系ダイヤルでやもめの中年女性を釣っては同棲を繰り返すが、そんなテキトー野郎なのでしばらくすると実家に“返品”されてくる。今度はイタリア系の富豪未亡人(イザベラ・ロッセリーニ)を口説き落とした。

おい、コレ絶対に盛ってるだろ!
ハチャメチャ家族にローレンスが振り回される前半のデタラメさは抱腹絶倒。前作『アメリカン・ハッスル』同様、豪華キャストを手に入れたラッセル演出は騒々しいまでに活気に満ちたアンサンブルで一気に走り抜けようとする。これ、当事者の皆さんに怒られなかったのかな…。

 ただ残念なことに『ジョイ』は『アメリカン・ハッスル』ほどスタミナが持続しない。後半、映画が事実に近づくほど(リアルで、真っ当になるほど)この活気は失われ、映画は減速してゆく。良くも悪くもこの場当たり的な勢いがラッセル映画の魅力であり、欠点でもある。日本では劇場未公開に終わった。


『ジョイ』15・米
監督 デヴィッド・O・ラッセル
出演 ジェニファー・ローレンス、ロバート・デニーロ、エドガー・ラミレス、ダイアン・ラッド、ヴァーニジア・マドセン、イザベラ・ロッセリーニ、ブラッドリー・クーパー
 

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