リッスン・トゥ・ハー

春子の日記はこちら

中村君とねぎま鍋を食いに行く約束をしている

2006-06-03 | リッスン・トゥ・ハー
中村君は私の友人の中でもひときわ小さな男の子で、でも身体の底から湧いてくる泉のような、中性的な声がとても素敵な男の子だ。中村くんは、ミネのことが好きだ、と言ってくれる。嬉しいんだけど、それはちょっと違う、私達はそういう関係にはならないと確信している。あくまでも、私は、だけど。一方、中村君はそうは思っていないらしく、ことあるごとに私のことが好きだと繰り返す。ミネとずっと一緒にいたいんだ、と言う。中村君と一緒にいるととても落ち着くし、ちょっといいなと思っている男の子から好きだ、と言われて喜ばない女の子はいない。だからといって。私の本当の気持ちはどうなんだろう。時々自分でもよく分からなくなる。ミネはずるいよ、と中村君は言う。私はずるい、そうかもしれない。再来週あたり、今の仕事が落ち着いたら、中村君とねぎま鍋を食いに行く約束をしている。

無人駅にて、優しさの意味を問う

2006-06-02 | リッスン・トゥ・ハー
久しぶりに実家に帰るために各駅停車に乗って最寄の駅で降りるわけですが、その最寄の駅と言うのができたときからずっと無人駅でありまして、切符なんかは各駅停車を降りるとき運転手に見せて確認するというわけです。なので運転手に見せて、降立ちました駅はやはり閑散としていましたが、声が、ひときわ響く女の声が聞こえたのでございます。声のする方向に目をやりますと、駅にたつたひとつだけあるおんぼろベンチに腰掛け、ケータイを握り締めた女、ひとりっきりで喚き散らしています。派手な色の服を身につけて、健康的な太ももを露にして、どうやら痴話喧嘩らしい。ふいに老婆が駅に入ってきて、次の電車までまだ50分以上あると言うのにそれまで待つつもりでしょうか。女はケータイを耳に引っ付けたまま立ち上がって、どうぞと老婆に席を譲りました。老婆はさも嬉しそうに座ります。無人の駅に、相変わらず女の声、でもなぜか少しやわらかくなった気がしたのです。

いなほ

2006-06-01 | 若者的詩作
ゆれてるいなほがゆれている

とおさんが、
こちらにのしのしやってきて、
かあさん、むぎちゃ、といいました

ゆれてるいなほがゆれている

かあさんは、
わたくしのかみをせっせとたばねてくれました

ゆれてるいなほのまんなかに
みんなでのしのしいくんです。