リッスン・トゥ・ハー

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絶体絶命カレー

2010-09-23 | リッスン・トゥ・ハー
そもそもが間違っている。たしかに、状況が食べ物をうまくする、とはよく言われたことだが。カレーの味は普通だ。まったく普通のレトルトカレー。ボンカレー。それを温めて、やはりレトルトのパックごはんにかけただけの代物。味はまずいわけではないが、うまいわけでもない。普通なのだ。それを状況により、うまくする、と豪語した。その料理人は味を高めるのではなく、状況で食わせる方法を選んだ。食べる前に絶体絶命の状況を作り上げ、それを乗り越えた後で食べるカレーのうまさと言ったらないぜ、料理人は自信を持っていった。絶体絶命とは。イメージとしてはリポビタンだ。あの屈強な肉体をもつふたりの若者がいつも絶体絶命の状況に陥っている。それを知恵と勇気で乗り切った後に飲むからリポビタンだってうまいんだ。リポビタンはうまさをアピールしているわけじゃないでしょうに。とは言えない。料理人がとても純粋な目をしていたから。同じような状況になるように店を改造しました。店に入ってからテーブルにつくまでの間に滝がある。それをなんとか乗り越えないといけない。素人でも大丈夫、専門のスタッフが手伝ってくれます。そして、乗り越えてテーブルにつき、有無を言わせずにカレーを食わせる。本当のうまさ、恐怖を乗り越えた感情が最高のスパイスだ。カレー店大人気。運動不足のあなたに、本格派アスレチック。いつしかカレーださなくなる。最初からそんなに好評だったわけではないし。アスレチックで十分食っていけそうだからそっちメインで軌道修正。


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