リッスン・トゥ・ハー

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0で折り返す

2011-01-27 | リッスン・トゥ・ハー
「折り返し地点にいて」

「あたしが、ですか?」

「そう」

「なんで?」

「勇気が出るやない」

「折り返し地点に?」

「うん」

「まあいいですけど」

「ありがとう、たすかるわあ」

「で、つる子さん」

「はい」

「折り返し地点て、なんのですか?」

「ああ、物語の」

「物語?」

「私の波瀾万丈物語の」

「つる子さんの物語の折り返し地点て、どこにあるんですか?」

「もうすぐ訪れます」

「え、待ってたらいいってことですか?」

「どこにくるかは、わからない」

「じゃあ、どうしようもないわ」

「大丈夫策は考えてある」

「どうするんですか?」

「いつも私といればいい」

「言われなくてもいますよ」

「まあ」

「あたしはあの夜にそう決めたんです」

「あの夜?」

「つる子さんが竹の中で泣いていた夜から」

「それ私ちゃうわ」

「あたしは竹を切り、中の女の子を取り出した」

「その物語、私ちゃうって」

「女の子にかぐや姫と名付けた」

「いやつる子でやらしてもろてます」

「その後改名してつる子となる」

「まあ、それでもええ」

「竹から取り出したんですから、いつも一緒ですよ」

「やれやれ」


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