働くこと。もっとたくさん仕事をしなければ、それこそが僕が生まれた理由で、仕事をしないならば、僕などいないほうがいい。仕事を終えて家路に着く時、月曜日の朝の目覚めのけだるさの中で、僕はそう思う。同僚の中には、ほとんど働かない奴もいる。上司の目を盗んでは、公園のベンチの上で寝転がったり、コンビニエンストアに入ってはぼうとしたりしてさぼっている奴がいる。彼は言う、そんなに真剣になって働く意味がわからない俺ひとりいくら働いたって何にも変わらないもっと楽になれよ。僕もそう思うだけど、働き続けていれば、すべてをそのためにかけてもいい、そう思える瞬間がある。こうして一生懸命働いた結果がそこに繋がっている、と確信している。なんというかそれは遺伝子に組み込まれているような気がする。顔を上げる。ああ、ここから遠く、何万匹もの黒い仲間の向こう、女王が羽を広げ、飛び立つ、その羽音の向こうにある太陽の、光。
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