リッスン・トゥ・ハー

春子の日記はこちら

センター、問合せまーす!

2007-05-14 | リッスン・トゥ・ハー
で丁稚は走る。ででっちは走る。残念なニックネームみたいだが、とにかくセンターへ走る。そこに情報があるらしい、から「問合せ」られたのである。丁稚は14才だった。親元を離れて、今日が初めての仕事だった。だから正直勝手が分からなかった。センターと言うのも実は良く知らなかった。だから、闇雲に走った。決して手を抜かないように、おとっさんからきつく言われていた。いつでも真剣に問合せるそれがおいらの仕事なんだ。闇雲に、西の方角へ走った。西へ向かって走るのがなんとなく好きだったから西へ向かった。貴方だけに言っておくと、西の方角にはセンターはない。だから、丁稚はいくら西へ向かって走ろうとも、永遠にセンターにはたどり着けないのだ。しかし、誰も指摘するものもいない、丁稚はただひたすら西へ向かって走っている。丁稚は、どうしてかテンションが上がってきた。だから、草履を脱いだ。着物も脱いだ。ふんどしも脱いだ。裸で西へ向かって走る14才の丁稚は猥褻物陳列罪の対象になった。警察が追ってきた。警察のおじさんは決して怒ることなく丁稚をお縄した。とてもやさしい目をしていた。丁稚は、センター問合せはできなかったが、とても充実した顔であった。