冬がやってきて終り、春がやってきて終り、同じようにして夏、秋、が終り、もう一度春がやってきたとき、彼女のもとに二番目の悪魔がやってきた。
悪魔は最初の悪魔と違い、はっきりとした形を持っていた。それは人間と何も変わらない風で、それが悪魔だという事は、彼が主張しない限りわからないように思えた。それでも、悪魔だと分かったのは、彼の影がなかったからで、そしてやはり自分は悪魔であると主張したからだった。
人だって平気でだますし、頭も回れば身体も回るし、なんのやり方も全部知っている。
「そちらはたいへん見難い訳です」
そうそう、悪魔は片目だった。
お願い、わたしをだまして。
諦めたような、哀れむような、祝福するようなピアノの調べが聞こえる。
悪魔は最初の悪魔と違い、はっきりとした形を持っていた。それは人間と何も変わらない風で、それが悪魔だという事は、彼が主張しない限りわからないように思えた。それでも、悪魔だと分かったのは、彼の影がなかったからで、そしてやはり自分は悪魔であると主張したからだった。
人だって平気でだますし、頭も回れば身体も回るし、なんのやり方も全部知っている。
「そちらはたいへん見難い訳です」
そうそう、悪魔は片目だった。
お願い、わたしをだまして。
諦めたような、哀れむような、祝福するようなピアノの調べが聞こえる。