潮風に乗って-北から南から

船や港に関係する地名を訪ねて、その土地の情報を発信します。

コックピットから撮った地球環境

2008年07月03日 | Weblog

2008/07/02(水) TBS NEWS
コックピットから撮った地球環境

TBSニュースで『コックピットから撮った地球環境』と報じていましたので掲載します。(07/02放映)
http://nawata01.eco.coocan.jp/08TV_movies/TBS/0701/tbs_earth_20080703.wmv


 40年にわたり、空から地球環境を見続けてきた1人のパイロットがいます。コックピットから撮影した写真が物語る、変貌する地球の姿です。

 くだかれたように散り散りに広がる、白い塊。去年夏、北極海上空で撮られた、溶けた氷の姿です。
 「昔はほとんど北極というのは真夏でも真っ白で。特に昨年がかなり溶けている。で、びっくりして(撮影した)」(日本航空、小林宏之 機長・61歳)
 パイロット歴40年の小林宏之機長は、運航の安全を確保した上で、1万メートル上空から地球の変化を撮影しています。

 5か月前、冬の北極海。かつては真夏に裂け目が出来る程度でしたが、溶ける時期が年々早まってきていると言います。
 「やはり徐々に徐々に温暖化が進んでいるというのは、これははっきり言えるのではないかと思います」(小林機長)
 シベリア上空のフライトに向かう小林機長は、ある“任務”も担っています。「森林火災の発見、その報告、こういった仕事もある」。

 煙が立ち上るシベリアの針葉樹林。フライト中に発見した火災の位置や規模のデータは、研究機関へと転送されます。
 「地球温暖化かどうか全く分からないんですが、どうも最近、燃える面積が増えているのではないかということを心配しています」(宇宙航空研究開発機構・地球観測研究センター、中右浩二 主任研究員)
 近年、世界各地で森林火災が相次ぎ、年間最大で41億トンの二酸化炭素が排出されています。シベリアでは5年前、日本の国土のほぼ40%にあたる2600万ヘクタールが焼失したといいます。
 「日本で起こったら、もう本当にしゃれにならない規模の火災が実際に起こっている」(宇宙航空研究開発機構・地球観測研究センター、中右浩二 主任研究員)

 成田空港に到着した航空機の貨物室から、大気観測器が取り外されます。上空1万メートルで採取された大気は、国の研究機関で成分の分析にかけられ、二酸化炭素濃度の変化が研究されています。
 北半球では冬場に濃度が上昇し、夏場にいったん下がります。地上の植物が行う光合成により、大気の二酸化炭素濃度も変化するからです。しかし、先進国が多い北半球のみならず、南半球でも二酸化炭素濃度は上昇の一途をたどっています。
 「人間が出す二酸化炭素の影響は、先進国周辺だけではなくて、このように地球全体に及んでしまう」(国立環境研究所・地球環境研究センター、町田敏暢 室長)
 来週、先進国の首脳たちにより環境問題が話し合われますが、空から見た地球に国境はありません。

 「我々パイロットにできることはですね、運航の安全を確保しながら、地球の本当の美しい姿と、逆にまた、こんなに地球の環境が変化している、あるいは壊されているんだよということを、メッセージとして伝えることができたらいいなと、このように思っています」(小林機長)