潮風に乗って-北から南から

船や港に関係する地名を訪ねて、その土地の情報を発信します。

原油高騰で「鉄道貨物」に熱い視線が

2008年07月16日 | Weblog

2008/07/15(火) TBS NEWS
原油高騰で「鉄道貨物」に熱い視線が

 TBSニュースで『原油高騰で「鉄道貨物」に熱い視線が』と報じていましたので掲載します。(07/15放映)
http://nakate.nawata01.com/08TV_movies/TBS/0701/tbs_railway_20080715.wmv

 原油の高騰は、物流の世界にも変化をもたらせています。トラックに比べ、環境にやさしいと最近見直されている鉄道貨物が燃料コストの面からも今、熱い視線を集めています。

 JR貨物の梅田駅。大阪駅前にある、この一等地は日が暮れると慌ただしくなります。一日30本の貨物列車が発車する巨大ターミナルですが、3年後には再開発のため、郊外への移転が決まっています。
 しかし今、人知れず闇を疾走する貨物列車が見直されているのです。
 例えば、書店へ行くと・・・
 「発売前から予約が殺到する」(売場担当者)
 年に1度だけ発売されるJR貨物の時刻表。2400円という価格にもかかわらず、今年は既に在庫切れ。こちらの書店ではなんと一般書部門でベスト9位にランクインしました。

(Q.結構値段が高いんじゃないですか?)
 「確かに高いですね。高くても欲しいですね」(男性客)
 かつて日本の物流の主役だった鉄道貨物。しかし道路整備が進んでトラックにとって代わられ、60年代を境に衰退が始まりました。
 ところがここへ来て、コンテナ輸送量は3年連続して増加。昨年度は2341万トンと過去最高を記録しました。待ったなしの温室効果ガス対策が迫られている中、産業界では輸送手段をトラックから鉄道などにシフトさせる「モーダルシフト」がクローズアップされているのです。

 物流大手の佐川急便は国内初、専用の特急貨物電車「スーパーレールカーゴ」を走らせ、6時間で大阪と東京を結びます。
 「環境への企業の高まりがだんだん表れている」(JR貨物関西支社・酒井洋一さん)
 一般に鉄道はCO2の排出量はトラックのおよそ8分の1とされています。省エネ法の改正で輸送規模が大きい荷主らに対し、毎年1%のCO2削減が義務づけられたことも鉄道貨物への転換を後押ししました。
 さらに、燃料費の高騰が鉄道貨物に追い風となっています。こちらの引っ越し業者は、今年2月から輸送の一部を鉄道コンテナに切り替えました。トラックだけで運ぶ場合に比べ、東京-大阪間で1割から2割、東京-九州間だと3割程度も料金が安くなると言います。

 「非常に安価でできる。その分お客様に還元できる。客のニーズがあれば今後大きく広げていきたい」(「引越社」関西・吉井高司部長)
 ただ、国鉄の分割民営化を経てスタートしたJR貨物の財務状況は厳しく、モーダルシフトを進めるには国の後押しが必要だと専門家は指摘します。
 「JR貨物単体では市場で力をつけていくのが難しい状況」(関西大学公共交通論・安部誠治教授)
 環境対策と燃料費高騰で追い風が吹いている鉄道貨物。これからますます見直しが進むのでしょうか。