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参議院における調査会-その5

昨晩、連載を再開した途端の記事連投です。他にも書きたいことがたくさんありますので、参議院の調査会シリーズは、あと1~2回程度でまとめます。

今回は、調査会設置に至る経過について、参議院改革論の観点から概観したいと思います。

参議院改革論は、以下の2つの側面によるアプローチが考えられます。

○参議院議員の選挙制度に関するもの
○参議院の組織と運営に関するもの

前者は被選挙年齢等、どのような人を議員に選ぶのか。後者は、選ばれた議員が参議院をいかに組織し運営するか、というアプローチです。

参議院に新たな組織を設置することは、後者に該当します。よって、調査会設置も後者に該当します。

衆参両院議員は、日本国憲法において国民の代表であると同様に規定される一方、被選挙年齢と任期の点において明確な違いがあります。

参議院議員の任期6年は、衆議院議員の地位に比べて安定しているだけでなく、定数の半数改選であることから、衆議院に比して参議院には継続性があるといえます。

しかしながら、参議院は創設後、政党化が進むにつれ、その存在価値を示す必要に迫られる局面が増えてきました。そこで、参議院の独自性発揮のために着目されたのが、衆議院との大きな違いである任期6年であり、長期的な視野に立つ調査会構想だったのです。

[調査会設置に至るまでの経過(概要)]

昭和46年7月:
「参議院問題懇談会」設置(長期的、大局的視野に立った国政調査の必要性)

昭和52年11月:
「参議院改革協議会」設置(衆議院と異ならしめる等、組織見直しの必要性)

昭和54年12月:
「エネルギー特別委員会」設置(エネルギーに関する諸問題を調査し、総合的かつ長期的な対策樹立に資するため=調査会構想の先導的試行)

昭和57年2月:
「参議院改革協議会」報告書(衆議院との調整の末、調査会構想は一旦頓挫)

昭和58年4月:
「参議院改革協議会」答申(長期的かつ総合的な調査を行う調査特別委員会の設置)

昭和58年7月:
上記答申を受け、エネ特に加え内政と外交に関する2調査特別委員会設置
(国民生活・経済に関する調査特別委員会、外交・総合安全保障に関する調査特別委員会)

昭和60年11月:
「参議院改革協議会」答申(一旦頓挫した調査会制度を参議院に導入することの必要性)

昭和61年5月13日:
調査会設置のための国会法一部改正案発議

昭和61年5月14日:
参議院本会議にて調査会設置のための国会法改正案が可決

昭和61年5月22日:
衆議院本会議にて調査会設置のための国会法改正案が可決・成立

昭和61年5月22日:
国会法改正に伴う参議院規則一部改正

昭和61年7月22日:
参議院に3調査会設置
(国民生活に関する調査会、外交・総合安全保障に関する調査会、産業・資源エネルギーに関する調査会)

上記のような経過を辿り、国政の基本的事項に関し、長期的、総合的な調査を行う調査会は参議院に設置されました。

次回は、参議院が主導した最初の国会法改正であったことに着目して、衆議院側での議論と衆議院の立場を概観します。

参議院における調査会-その1 国会法と参議院規則における調査会の位置づけ
参議院における調査会-その2 調査会の設置時期
参議院における調査会-その3 調査会長の選任方法・時期
参議院における調査会-その4」 調査会設置時の国会法改正のポイント
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