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参議院における調査会-その6

今回は、調査会制度を創設した際、参議院が主導した初めての国会法改正であったことにかかる、衆議院の立場を紹介します。

参議院における調査会-その5」では、調査会設置に至るまでの経過の中で、昭和57年2月の参議院改革協議会報告書で、衆議院との調整の末、調査会構想が一旦頓挫したことに触れました。

調査会の設置は、参議院だけの問題であるとはいえ、国会法に規定する法律事項となります。よって、国会法改正のため、衆議院側の了解を得る必要があったのです。

国会法の改正については、両院が協議し、合意してから改正案を提出する慣例となっており、調査会の設置にあたっては、衆議院側の了解を得つつ各会派の折衝がなされていました。

しかし、いざ議論が具体的になって折衝に入ると、衆議院側としては新たに国会法上の機関として調査会を創設することに関し、法案審議への影響等も考えられることから、時期尚早との意見が示され、調査会構想は一旦頓挫したのです。

ただ、しかしながら、参議院は既存の特別委員会制度を活用して、調査会構想を取り入れた調査特別委員会を昭和58年7月に設置し、調査会構想が途切れてしまわぬよう努力したのです。

昭和60年11月には、参議院改革協議会において、一旦頓挫した調査会構想が再度取り上げられ、議長に答申がなされました。

その後、調査会設置に向けて、一気に機運が高まり、昭和61年5月14日、参議院本会議で調査会の設置についての国会法改正案が可決した後、昭和61年5月22日、衆議院本会議で調査会設置に関する国会法改正案は可決・成立しました。

ただし、衆議院本会議の当日、衆議院議院運営委員会では国会法改正案を採決するにあたって、衆院議運委員長から異例の発言がありました。

[昭和61年5月22日 衆議院議院運営委員会]

○衆院議運委員長 

本案につきましては、当委員会に付託されてから、理事会等において各党側協議を願っておりましたが、委員会においては、本日初めて議題といたしたものであります。
この際、委員長から、理事会等における各党の御意見を踏まえながら、委員会を代表して、一言申し上げたいと存じます。

まず第一に、本案の趣旨は参議院の調査会に係るものとはいえ、国会法に規定する以上、衆議院においても検討する時間的余裕が望ましいのではないか。

第二に、専ら一院に関係する事項については、両院共通事項を規定している国会法に規定するのはいかがなものであろうか。

第三に、現在の委員会制度から見て、調査会の性格がいま一つ明瞭ではない。例えば、調査会は付託議案は審議しないとしながら、調査会提出の法律案を認めていること。また、調査会の他委員会に対する立法勧告権の内容等について検討する時間的余裕がなかった。

第四に、一部の党から、調査会と国政調査権、特に証人喚問等に問題があるのではないか。
その他、調査会の運営に当たっては、将来本院に関連がある問題が起こった場合、十分に相互に協議を行うこと等の御意見があったことを申し上げておきたいと存じます。

つまり、衆議院としては参議院独自の機関となる調査会設置に反対はしないものの、両院共通事項を規定する国会法に一院のみに関する事項を定めるのはいかがなものか、とその立場を記録に残したのです。

次回は、調査会制度創設時に設置された調査会と、現在開会中の第192臨時会で設置された調査会について概観します。

参議院における調査会-その1 国会法と参議院規則における調査会の位置づけ
参議院における調査会-その2 調査会の設置時期
参議院における調査会-その3 調査会長の選任方法・時期
参議院における調査会-その4」 調査会設置時の国会法改正のポイント
参議院における調査会-その5」 参議院改革論と調査会設置に至る経過
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