読書感想日記

最近読んだ本の感想

「洞爺丸はなぜ沈んだか」 上前 淳一郎 著 文藝春秋

2010-08-09 22:39:33 | ドキュメンタリー
 牙をむいた自然に、人間が翻弄された天災であろうか…
 それとも、判断を誤ったことによる人災であろうか…
 当時の技術や人々の意識は、現在とは異なるため、一概には言えないものの、偶然の出来事も含めて、起こりうる限りの災いと、普段では考えられない分析の誤りが重なって、招いてしまった不幸な事故としか言いようがない…
 過去の事故の記録のはずなのに、目の前に置かれたガラスの向こうで進行する事故を、ただ傍観しているような錯覚に陥り、何もできないことに歯痒さと、むなしさがこみあげる。
 この事故から学ぶべきことは多く、そして重い。
 自然に対する考え、自分の命を守るための判断と行動。
 情報収集や広報活動の重要性。
 そして「決断すべき人」が「決断」することの難しさ、責任の重さ。
 つまり、現在「決断すべき立場」の人はもちろん、将来、その立場に立とうと考えている人は、是非この本を読み、危機管理に努めてはいかがであろうか。
 …犠牲になった人々のご冥福をお祈りします…

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