私ごとで大変失礼ですが、先日、母100歳(行年102歳)の四十九日忌(しじゅうくにちき)法要を菩提寺にて執り行うこないました。
みなさまは当然ご存じかと思いますが、先ずは御霊前と御仏前の違いは、葬儀に参列するからには必ず知っておきたいところです。四十九日の前か後か、また宗派の違いによっても異るようです。
また、弔問や会葬に際し、香を持参し、個人の冥福を祈ったことから「香典」と呼ばれるようになったとしています。
お若い方は意外に知らないこともあるかも知れません。
御霊前…死者を敬って霊前を丁寧にいう語。
霊前に供える金品に書き記す語。御仏前…仏前を丁寧にいう語。仏前に供える金品に書き記す語。
その前に、葬儀の流れです。
危篤:
私の場合ですが、施設(病院)から数日前より電話があり、母の状況説明がありました。血圧や他の症状もです。酸素マスクを付けた母の姿がありました。先生は経験的にそろそろと・・・。
あと数日間と聞きました。今では家族葬が中心となっていますので、子どもや孫には連絡し、母の姉妹も高齢なので、この時は連絡しませんでした。
逝去(臨終)
そんな状況を察知して、翌日また病院に行くと医師が立会い臨終を告げられました。
その時に、ご安置はどうしますか?と尋ねられ、知り合いの葬儀社に電話を入れ、1時間後には遺体を引き取りに来ました。私としては一度は自宅に戻したいとお願いし、自宅で過ごしてもらいました。
形では末期の水を含ませることもありますが、一般的には最初の儀式だと思います。
死亡診断書を医師から受け取り、あとは葬儀社さんに届け出などを任せます。
姉のすすめもあって、最期にふさわしい姿にするために遺体に施す身繕いや死化粧ですが、体が硬直しなく優しいお顔になるエンバーミングをお願いしました。20歳は若返った姿になりました。
親族への連絡
家族葬ですので、姉妹や遠方の親族には連絡しましたが、みなさんのご負担が無いようにあくまでも家族葬で身内だけです。それでも20数名はご参集いただけました。
葬儀日程の調整・決定です
菩提寺は私が直接やり取りしました。合わせて葬儀屋さんには火葬場の空き具合を調べてもらい(今は凄く混んでいて、分刻みの状態のようです)住職と日程調整です。
その後、葬儀日程が決まってから、姉妹や親族に状況を説明し、母が亡くなり○○で○○日に葬儀を行う旨を伝えました。姉妹は高齢ですので、代理で出席していただいた方がほとんどです。
その時に献花についてもお話ししました。孫や関係者も合わせて20基くらいになりました。
死亡届の提出など
葬儀社さんがすべて行ってくれます。(逝去してから7日以内です)
その後が大変です。自分で行わなけれなならないことがたくさんあります。金融機関への連絡や年金庁への連絡、健康保険など市への手続きもあります。
遺体搬送・安置
葬儀までの間、故人のご遺体は斎場もしくは自宅で安置します。搬送先を決め、葬儀社に希望を伝えれば、寝台車で安置所まで搬送してくれます。
母の場合は一度は自宅に戻りましたが、エンバーミングをお願いしていましたので、すぐにその施設にお送りしました。その後は葬儀社さんの安置所でお願いしました。いつでも会いに行けます。
葬儀の打ち合わせ
遺体の安置が終わったら、葬儀の打ち合わせに入ります。可能であれば、葬儀社より先に家族だけでどんなお葬式にしたいか話し合っておくのです。
宗派の確認や喪主の決定、遺影写真の選別、会葬御礼の品々もです。
- 葬儀の形式や規模
- 予算に沿った葬儀プラン
- 棺や祭壇、供花などの葬祭用品 *故人の趣味や性格から華やかなものにお願いしました。
- 通夜ぶるまいや精進落としなどの接待料理 *これが参加される人数の想定や価格を含めてどんなふるまいをするかです。
- 当日返しや香典返しなどの返礼品 *結構大変な作業になります。
など、葬儀を執り行うために必要な項目を1つ1つ決めていきます。
お坊さん
仏式の葬儀では、読経や戒名付与をしてもらうために、お坊さんの手配が必要です。私は菩提寺の筆頭総代を仰せつかっていますので、住職もそれなりのことを考えていたかと思います。
菩提寺住職と有縁(うえん)の各聖(つながりの濃い聖人お二人で計3人の読経の中で執り行うことになりました。
母は生前戒名をいただいていますので、その辺は問題はありませんでした。先代を含めて最高位の院殿号が付いています。
通夜・葬儀(告別式)
葬儀社さんの施設で執り行いました。
湯灌(ゆかん)・納棺
お葬式で最期のお別れをするために、故人をお風呂に入れてキレイにすることを湯灌(ゆかん)の儀もありますがこれはエンバーミングをお願いしましたので行いません。(父の時は行いました)
副葬品とともに棺に納めることを納棺
故人を納棺する棺には、旅支度の品以外に、生前の愛用品や好きな食べ物など、さまざまな副葬品を収められます。ただし棺に入れられるものには決まりがあるので、事前に副葬品の範囲を確認しました。
一般的な葬儀は2日間あり、1日目にお通夜を行います。
お通夜では、家族や親戚、故人に縁のあった人たちが集まって、故人と一緒に最後の夜を過ごします。開始時間は18時ごろで、仏式であれば僧侶の入場、読経、焼香と続き、最後に喪主の挨拶があるようですが、家族葬のために簡単にしました。私はお手紙の用に母のこれまでのこと書いてみなさんにお配りしました。
通夜の閉式後、参列した弔問客や手伝ってくださった方々に食事や酒をふるまいます。これは通夜ぶるまいと呼ばれ、弔問客へ感謝を伝えること、思い出を語り合って故人を偲ぶことが目的です。また、「故人と最後の食事を共にしてもらう」といった意味合いもあります。
葬儀・告別式
通夜の翌日に、葬儀・告別式が行われます。火葬の時間によって開始時刻は変わりますが、開式の約1時間前から参列者を受け付けるのが一般的です。
参列者が着席すると、僧侶が入場して読経します。宗派によって異なりますが、読経時間は30分〜60分ほど。読経とともに故人に戒名が授けられ「引導渡し」が行われます。焼香のやり方や回数は宗派によって異なるため、事前に司会者と相談して置くのも良いのでしょう。
この時に弔電も読まれます。順番なども事前に司会者と相談しておくことも必要です。
そう、献花いただいた方の配列も重要です。失礼が無いように配置やバランスを考えます。
読経が終わると僧侶が退場。司会者が閉会の辞を述べ、葬儀・告別式は閉式します。
出棺・火葬・収骨
出棺
葬儀・告別式の閉式後は、「お別れの儀」と呼ばれる出棺の準備に入ります。喪主や遺族、参列者で棺に花を入れ、故人と最後のお別れをします。
お別れの花入れが終わったら、棺にふたをして、火葬場に向けて出棺。出棺する前に、喪主が弔問客へ挨拶を行います。(私は前日の通夜式でご挨拶しましたので行いませんでした)火葬場に向かう人以外は、出棺のタイミングで解散します。
火葬
出棺が終わったら、そのまま火葬場へ移動。火葬場にはご遺族や近親者、ごく親しい間柄のご友人のみが同行します。故人と喪主、葬儀社の担当者を乗せた霊柩車を先頭にして、遺族はマイクロバスや自家用車に乗って火葬場へ向かうことが多いです。
火葬場に到着したら、火葬炉の前で「納めの儀」を行います。お坊さんが読経したあと、最初に喪主、続いて遺族、親族、友人の順に焼香と合掌をします。それこそ最後のお別れです。
納めの儀が終わったら、そのまま棺は火葬炉へ。火葬が終わるまで1時間ほどかかるため、火葬場の待合室で、静かに火葬が終わるのを待ちます。
収骨( お骨上げ)
火葬が終わると火葬炉の前に戻り、骨壺に遺骨を入れる「収骨( お骨上げ)」を行います。
故人の遺骨を拾い上げるときは、まず歯を納め、次に足から頭へと順番に拾い上げていきます。最後は、故人と繋がりのある人が喉仏を納め、収骨は完了です。
初七日法要
初七日法要は、残された遺族が故人を追悼し、故人を供養するために行われる法事で初七日として初七日法要を行うケースが増えています。
火葬の前後、どちらで行うかによって変わりますが、初七日法要の所要時間は15分~30分ほど。僧侶の読経後、親族や家族による焼香があり、最後に喪主が挨拶をして終わります。
今回は通夜式と初七日を合わせて(続けて)行い、お焼香は二度行いました。
火葬場から戻ったあと、初七日法要後として、精進落としと呼ばれる会食の席を設けます。精進落としは、葬儀の参列者や宗教者に料理をふるまい、感謝を伝える儀式。食事の前に喪主が献杯の挨拶をし、食事の最中は遺族や喪主がお酌をして回ります。
とくに決まりはありませんが、精進落としは1~2時間で行うのが一般的です。食事のメニューは、お祝い事に使われる食材を避け、和食を中心に予算や規模にあわせて選べば問題ありません。葬儀後・散会後です。
関係者への御礼
葬儀が終わり、落ち着いてきたら、関係者へ改めてご挨拶に伺います。親族だけでなく、ご近所や会社など、お世話になった方々へお礼を伝えます。
諸手続き
期限の決まっている手続きもあるため、葬儀後は速やかに対応するのがベター。喪主が行うのが一般的ですが、家族や親族、専門家の手を借りるのもひとつの選択肢です。ほとんど女房が行ってくれました。
四十九日法要は、故人が亡くなってから49日目に行われる儀式です。49日までを「忌中(きちゅう)」、49日以降を「忌明け(きあけ)」ということから、「忌明け法要」とも呼ばれています。
四十九日法要では、会式の挨拶のあと、僧侶の読経と焼香を行い、お斎(御斎・おとき)と呼ばれる会食をするのが一般的。また法要後に納骨式がある場合は、仏壇やお墓、本位牌を用意して置きます。当然納骨しますので、石屋さんも寺から連絡してもらいました。
納骨式とは、故人の遺骨をお墓に埋葬したり、納骨堂に納めたりする儀式。時期に明確な決まりはありませんが、四十九日法要とあわせて行うケースが多いです。
ちなみに最近は、お墓だけでなく、納骨場所が多様化しています。樹木を墓碑として遺骨を埋葬する樹木葬や、焼骨を海に散布する海洋葬(散骨)、遺骨の一部を自宅で保管する手元供養などもありますが、これらはそれぞれのお考えなのでしょう。私は菩提寺のお墓に納骨させていただきます。
香典返し
香典返しとは、通夜や葬儀・告別式、法要の参列者からいただいた香典に対して、お礼の品物をお返しすること。香典返しには、「無事に四十九日法要が終わりました」と関係者へ報告する意味が含まれています。四十九日法要の翌日から、遅くとも1か月以内に香典返しをしますが、これもどうするかが大変です。最近は雑誌スタイルで選べるものが多くなりましたが、これと言った気に入ったものが少なく、心に残りません。
香典返しの相場は、受け取った金額の半分程度を返す「半返し(半分返し)」。地域によっては3分の1が通例だったり、高額な香典をいただいた方は4分の1にしたりと、臨機応変に対応が必要だとしていますが、女房はかなり真剣にその方に合ったものを選んでいました。
葬儀の流れを確認したところで、最後に葬儀・葬式を行う意味について触れておきます。
日々の暮らしの中で、常に葬儀について考えている人はあまりいません。身内の方、または親しい方が亡くなってはじめて葬儀の準備をするのが一般的です。葬儀は故人を葬り供養するための儀式ですが、お葬式を行う意味はほかにもあります。
遺族の心の整理
身近な人が亡くなるのは非常に辛いため、事実を受け入れられない人も少なくありません。葬儀を行うことで、少しずつ現実を受け入れる方がほとんどでしょう。
故人の死を完全に受け入れるには時間がかかります。葬儀だけでなく、初七日や四十九日をはじめとした法要は、遺族が故人の死を受け入れ、心の整理をするための大切な仕組みです。
家族や親族のつながり
葬儀は、親せき同士で集まる数少ない機会のひとつです。近くに住んでいれば頻繁に会うかもしれませんが、遠方に住んでいる親せきと会う機会はほとんどないでしょう。
長期間会う機会がないと、関係が希薄になってしまいがちですが、葬儀や法要があることで結びつきを深められます。
宗教的な観点
葬儀には、死者を供養し、あの世へ送り出すという宗教的な意味があります。最近では、地域性や遺族の考え方によって、宗教的な意味合いがやや薄れているようです。
霊前とご仏前の違いです。
文字通り、霊と仏の違いです。仏教での「御霊前」と「御仏前」の使い分けです。
一般的に仏教では、亡くなってから四十九日を中陰と呼び、死者が六道輪廻をさまよう期間(今までお世話になった方々へのお礼とご挨拶する期間)としています。それを過ぎると中陰を満たして(満中陰)、仏になります。
このため、四十九日法要までは御霊前を、五十日目以降の百日忌法要や年忌法要などでは御仏前の表書きにします。
ただし、真宗(浄土真宗や真宗各派)では既得往生の教えから、霊という考え方がないため御霊前は使わず御仏前を使います。
仏教以外でも使えるのかです。
神道の場合、御玉串料や御神前などを使いますが、御霊前でも問題ないとされています。またキリスト教の場合、一般的には御花料を使いますが、こちらも御霊前でも問題ないとされています。
「「四十九日(しじゅうくにち)」は、「七七日(しちしちにち・なななぬか)」とも呼ばれ、故人様のご命日から数えて四十九日目を指します。 仏教ではこの日を「忌明け(きあけ)」と呼び、遺族はこの日を境として、故人様のご冥福を祈って喪に服していた期間を終えます(しじゅうくにち)」は、「七七日(しちしちにち・なななぬか)」とも呼ばれ、故人の命日から数えて四十九日目を指します。 この日を「忌明け(きあけ)」と呼び、遺族はこの日を境として、故人のご冥福を祈って喪に服していた期間を終えます。
母の冥福を祈って喪に服していましたが、これからがモノや心の整理するために動き出す必要があるのでしょう。
今朝、収穫した絹さやです。仏壇にお食事をお供えしました。
そう、良く頂くと言う言葉がありますが、神棚などは高い位置にお飾りしている家もあるかと思います。その高い場所が頂きであって、そこからおすそ分けでいただくので、頂きものと言われる所以です。
Hiro