俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

困った隣人

2013-07-25 10:30:28 | Weblog
 「向こう3軒両隣」とか「遠くの親戚より近くの隣人」とか言われるように、日本人は近所付き合いを肯定的に捕らえる。この国民性は農家の助け合いが育んだものだろう。
 しかしこの価値観は外国では通用しない。当たり前の話だが殆んどの戦争は隣国との争いだ。ヨーロッパでの戦争はフランス・ドイツ間が深刻であり、これを防ぐためにEUが構想されたほどだ。
 中国はもっと極端だ。戦国時代以来、遠交近攻という戦略がしばしば使われている。遠くと交わり近くを攻めるという意味だ。例えばABCDの4ヶ国が東西に一列に並んでいれば、AとC、BとDという形で同盟関係が結ばれることが多い。前者はBを挟み撃ちにするためのものであり、後者はCを攻めるためのものだ。もしAC連合がBを滅ぼしてAがBを支配すれば、今度はAがDと同盟を結んでCを攻めようとする。仁義を欠いているように思えるがこれが中国の伝統的戦略であり、この戦略に忠実だった国が生き残った。
 大中国にとって近隣国とは冊封体制に組み込んで隷属させるか占領するかのどちらかでしか無い。前者が北朝鮮であり後者はチベットやウィグルなどだ。共存共栄という理念は中国には無い。このことは歴史を見れば明らかだ。こんな隣国と仲良くすることは難しい。勿論、縁を切る必要は無いしそんなことはできないが、「隣国だから仲良く」という理屈は中国人には通用しない。
 中華帝国化しつつある中国との関係はできるだけ浅くすべきだろう。政治的にも経済的にも火種を抱える中国と深く関わることは危険が多過ぎる。隣に住む人が連続放火・殺人犯になった時、最も被害者になり易いのはその隣人であることを自覚すべきだ。
 

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