俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

捜査権

2011-03-11 15:35:29 | Weblog
 入試問題のネット投稿事件で予備校生が逮捕されて以来、京大などが被害届を出したことを非難する人が少なくない。
 確かにカンニングという罪に対して逮捕という罰はいかにもアンバランスだ。しかし日本の法律に従う限りこれ以外の選択肢はあり得ない。捜査権は警察にしか無いからだ。
 投稿者を突き止めるためには2つの障壁がある。ヤフーとNTTドコモによる個人情報保護だ。大学が要請しても企業は個人情報を公開できない。公開すれば法律違反になるからだ。
 この情報を開示させることができるのは警察だけだ。警察だけが捜査権を持っている。従って警察を動かさなければ投稿者を特定することは不可能だった。刑事事件ならともかく、民事事件で警察を動かすためには被害届を提出するしかない。
 もしどこの大学も被害届を提出しなければ投稿者を割り出すことは不可能だった。しかもこれは組織的に行われた可能性もあった。従って被害届の提出は正当な行為だ。
 多分、投稿者は起訴猶予になるだろう。そのことを以って京大などのやり方をやり過ぎだと否定すべきではない。もし被害届を出さなければこの事件が解明されることは無かったのだから。
 実際に、日本相撲協会は八百長相撲の被害届を出さないからいつまでたっても有耶無耶の内部調査に終始していて全面解決の可能性は皆無だ。

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