俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

食品テロ

2014-01-29 09:23:11 | Weblog
 アクリフーズの農薬(正確には「殺虫剤」)混入事件の容疑者が逮捕された。この罪名が偽計業務妨害であったことに驚いたのは私だけではあるまい。偽計業務妨害とは悪戯電話などによって事業活動の妨害をする犯罪であり、3年以下の懲役または50万円以下の罰金という余り重くない罪だ。
 これを企業に対する犯罪と捕えて良いのだろうか。この犯行の被害者は消費者であって無差別食品テロと考えるべきではないだろうか。
 もし学校に「○日に爆破する」と嘘の電話をして行事を妨害したなら偽計業務妨害罪だ。しかし本当に爆破したらもっと重い罪になる。今回の犯罪は嘘によって業務の妨害をしたのではなく実際に毒物を混入したのだからもっと重い流通食品毒物混入防止法を適用すべきだと私は考える。
 2日前に「報恩と報復」という記事で、私は報恩だけではなく報復まで奨励した。現代社会では公式には報復は認められていない。国家が法律に基づいて報復を代行することになっている。しかしささやかな報復なら誰もがやっていることではないだろうか。小さな嫌がらせとか仕事上での手抜きとか給与査定を厳しくするなど自分が責任を負える範囲での報復は日常的に行われているだろう。
 しかし阿部容疑者による報復は全く理不尽だ。企業に対する不満の矛先をその企業ではなく何の瑕疵も無い消費者(社会)に向けたからだ。これは無差別食品テロであり然るべき報復つまり刑罰を科するべきだろう。

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