俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

多数者

2010-08-31 14:57:45 | Weblog
 正規分布曲線を見れば明らかなとおり、中位の者が一番多い。従って多数決をすれば凡庸な意見が必ず可決される。多数決を是とする民主主義とは凡庸な者に権力を与えるシステムだ。
 凡庸な意見のどこが悪いのか。①空気に流される②未来を見ない③責任を取らない、からだ。
 ①空気に流される
 時代ごとに空気がある。日清戦争と日露戦争に勝って好戦的になったのは軍人や政治家だけではなく、大衆だ。日中戦争や日米戦争は決して軍国主義者だけが暴走したのではなく、庶民と大衆に迎合するマスコミが煽ったものだ。庶民こそ戦争反対者を「非国民」と罵った張本人だ。
 ②未来を見ない
 凡庸な者にとって重要なのは現在だけだ。過去の景気や未来の景気などどうでも良い。必要なのは今の好況だ。今の好況のためなら未来などどうでも良い。予算が足りなければ国債を増やすという愚行でさえ許される。
 ③責任を取らない
 合議制で運営するとどんどん極端化すると言われている。良い時には行け行けどんどんで、悪い時には極端に消極的になる。失敗しても「みんなで決めたこと」だから誰も責任は問われない。だから益々無責任になる。
 多数決が危険であることを知っているからどんな組織にもリーダーが据えられる。

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