俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

南西諸島

2010-12-03 15:58:37 | Weblog
 中国人になったつもりで東アジアの地図を見ていると日本の存在が腹立たしくなる。特に南西諸島の邪魔なこと!ちっぽけな島が点々と連なって中国を包む壁になっている。そのために中国船が太平洋へ出るためにはぐるりと遠回りをして台湾とフィリピンの間のバシー海峡を抜けるしか無い。南西諸島海域が日本の領海でなければ中国船は自由に太平洋を往来できるのに全く理不尽な話だ。
 中国人なら100%こう考えるだろう。南西諸島は中国にとって経済的にも軍事的にも本当に目障りな存在だ。
 中国は沖縄の一部の領有を本気で企んでいるらしい。武力で奪う気なのか平和的に取得する気なのかは知らない。その第一段階が1992年に制定された「領海法」だ。この法律は大陸棚の及ぶ範囲を中国領と定めており、西沙諸島と南沙諸島と尖閣諸島の領有を正当化しようとしている。
 当たり前の話だが国内法は国際法とは違って所詮国内だけのルールに過ぎず他国に強制することはできない。それを軍事力と経済力を背景にして国際ルール化しようとするところが恐ろしい。尖閣諸島問題では日本は絶対に譲ってはならない。
 沖縄についても得意技の歴史の捏造に取り掛かっているようだ。既に琉球王国は中国の属国だったと主張しており、そのうちに琉球王国以前は中国領だったとでも言い出しそうだ。あな恐ろしや。

ゲゲゲの女房

2010-12-03 15:43:00 | Weblog
 今年の流行語大賞に「ゲゲゲの~」が選ばれたが、「ゲゲゲの女房」の視聴率は最近の朝のテレビ小説の中では特に高かったそうだ。その理由として男性の視聴者が多かったことが挙げられている。
 なぜ男性の視聴者が多かったのか。松下奈緒さんの魅力もあるだろうが、それ以上に男性向きのテーマだったことが大きい。
 中年以上の多くの男性は水木しげる氏の漫画を読んだことがある。そして水木氏の数奇な運命についても少しは知っている。少ししか知らないから関心を持った。
 朝のテレビ小説の主要視聴者は女性だ。女性の支持を失わずに男性の支持を集められたら視聴率が高くなるのは当然だ。
 これが政治の話になると困ったことになる。最もその党らしい人には基礎票以上の票が集まらず、その党らしくない人にはプラスα分を含めた票が集まる。
 例えば本来の民主党の顔は菅・岡田・前原各氏だろう。ところが彼らが顔になるとリベラル層の表しか集まらなくなってしまう。逆に小沢一郎氏なら自民党の票を取り込むことができる。
 つまり党の本来の姿を体現する政治家よりも党の中では異質な政治家のほうが幅広い支持を集められるということだ。小泉元首相もそうだった。彼は自民党の主流ではない。そして「自民党をぶっ壊す」と宣言したからこそあれほどまでに広い支持を得られた。その党の本流でない政治家が支持を集めるから政党同士の政策の違いは益々曖昧になってしまう。困ったことだ。

強欲

2010-12-03 15:26:26 | Weblog
 モンスターペアレントやモンスターペイシェントがなぜ社会問題となったのか。それはモンスターカスタマーなどとは質的に違った問題を抱えているからだ。
 買い物は、少しでも安く買おうとする客と少しでも高く売ろうとする店との駆け引きだ。双方が納得しなければ取引が成立しない対等な関係だ。10万円のテレビを千円で買おうとするような非常識な客を店は拒絶できる。
 ところが公立の教育や医療の施設は利用者を選別できない。明らかに異常人格者であろうと受け入れざるを得ない。利用者を選別できないから小売店とは質的に違った問題が発生する。その結果、教育や医療の現場は日常的に無茶な要求に曝されることになる。
 小売店の場合、原価というものがある。仕入原価以下で売れば小売店は損をするからそれを下限にできる。しかし教育や医療の原価を算出することは難しい。原価という明確な歯止めが無いから要求はどこまでもエスカレートする。
 そもそも教育や医療は受けられるサービスの質や量と比べて非常に低い対価しか設定されていない。それは国や自治体や保険が補助をしているからだ。そのことを恩恵と思わず、権利を無制限に主張するのがモンスターだ。一杯の振る舞い酒に礼を言わず「樽ごと寄越せ」と主張するような強欲さだ。
 消費者が権利意識を高めることを否定するつもりは全く無い。対等な取引であれば大いに権利を主張すべきだろう。しかし受益者という立場にいる時に「ゴネ得」を狙って無茶な要求をする強欲さには呆れるしか無い。これは社会福祉費を食い物にしようとする強欲であり、教育崩壊や医療崩壊にも繋がりかねない。