俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

自殺し易い年齢層

2008-10-01 20:05:19 | Weblog
 平成10年から19年まで10年連続して日本人の自殺者数が3万人を越えた。
 平成18年の自殺者数32,155人を年齢別で見ると驚くべきことに気付く。高齢者ほどシェアが高いのだ。60歳以上が34.6%、50代が22.5%、40代が15.6%、30代が14.0%、20代が10.6%、19歳以下が1.9%、不明が0.8%となっている。
 平成18年の時点では団塊の世代の大半が50代で、団塊二世が30代なので、この年代の人口構成比が高く、その分を修正すれば、大体10年ごとに2.5%ぐらいずつ自殺者に占めるシェアが高まるという傾向が読み取れる。
 一時期、子供の自殺が騒がれたがこれは珍しいから騒がれたと理解して良かろう。
 自殺の原因は複合的なものが多く特定することは困難だが、歳を取れば取るほど生きにくい、あるいは生きることが楽しくなくなる日本というシステムは大きな病根を抱えていると考えざるを得ない。

人工降雨

2008-10-01 19:54:04 | Weblog
 日本は古来、水資源に恵まれて来た。こんな国で将来の水不足を心配することは杞憂だろうか。
 中国での水不足は広く知られている。砂漠が広がり、黄河の断流は日常的になりつつある。
 中国における水不足は決して工業化だけが原因ではない。領土の大半が内陸の中国では昔から水不足に悩まされた。「刑」という字は「井」と「刀」の2文字から合成されたそうだ。つまり井戸水を盗む者を刀で罰するという意味だ。
 こんな中国人が領土内にもっと雨を降らせようとするのは当然のことだ。
 今後、中国は人工降雨に積極的に取り組むだろう。先日の北京オリンピックでもこの技術が使われた。開会式に雨が降らないようにするために開会式前に雨雲を刺激して強制的に雨を降らせたらしい。
 この技術は当然応用できる。西から東へと動く雨雲が「無駄に」日本海へと流れて行かないように、大陸上で雨にしてしまえば中国は潤う。しかし日本は干上がる。
 今のところ降水に関する国際的なルールは無いから中国による人工降雨を咎めることはできない。川の上流と下流での水争いと同じように風上と風下での雨雲争いが生じるのではないかと思うと不安だ。

進化における男女の役割

2008-10-01 19:41:00 | Weblog
 無性生殖をする生物からは親と同じ個体が生まれる。一方、有性生殖をする場合、両方の親からのDNAを引き継ぐ。突然変異によってしか違った個体が生まれない前者と比べて、常に新しい個体が生まれる後者のほうが生存競争において有利だ。新しい個体が適応体なら子孫を増やし、不適応体なら淘汰されて進化が促されるからだ。
 有性生殖を行う生物は通常、雄と雌と区分けられる。中でも哺乳類の雌は受胎し受精卵を育ててから出産するという複雑で重要な役割を担う。
 一方、雄は雌に受精させるという役割しか持たない。次世代を生むために重要な役割を果たすのは雌だ。出産において役割の軽い雄は「変異」つまり積極的に出来損ないを作るという無駄の多い役割を担う。何が適応になるか分からないまま、とにかく新しい能力の実験台になる。脳を大きくしたり小さくしたり、手足を長くしたり短くしたり、鼻や口を大きくしてみたり・・・。とにかく様々な変化はまず雄において現れる。その変異がたまたま環境に対する適応であって(生存競争)、かつ雌に好まれる資質(種族内淘汰)であればその雄は子孫を残すことができる。
 雄は試作品のようなものであり、それが環境に適応していれば、次の世代では更に改善が試みられる。
 人間においても男は常に試作品だ。デキの良いのも悪いのも混じったバラつきが男の特徴だ。学校で一番成績が良いのも悪いのも、絵が一番巧いのも下手なのも、歌が一番巧いのも下手なのも大抵男だ。
 一方、女のバラつきは小さい。平均近辺に集まり易い。しかし男女それぞれを平均すれば、体力以外の能力は女のほうが男より上だろう。
 男は積極的にバラつくから想定外の出来損ないも生まれ易い。0点しか取れない者や絵や歌がどうしようもなく駄目な者は大抵男だ。
 バラつくことが男の存在意義だから、人為的に優秀な者を選べば多くは男になる。出来の悪い者を選んでも多くは男になる。実際、最優秀の学者も最悪の犯罪者も男のほうが圧倒的に多い。
 進化における女の役割は優れた男を正しく選択することだろう。賢い者、善良な者、強い者または美しい者か、あるいはこれらとは全く逆の者を選ぶかは女の勝手であり、それによって人類の進化の方向が決まる。
 進化において重要なのは女だ。男は変化する性(試作品)であって、女はそれを評価して選別する性だから。