風林火山
今年の大河ドラマは、井上靖の名作『風林火山』だそうだ。
我が事務所の年間スローガンは、選択と集中。
風林火山と相通ずるものがあると思う。
「風林火山」の出典は孫子の兵法といわれる。
其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山、知難如陰、動如雷*(雨かんむりに廷)の冒頭の4句をその旗指物に印したものだという。
要するに、時が来たれば、雷の如く立ち上がり、つむじ風の如く突進し、猛火で焼き尽くす如く一気呵成に勝負をかける。しかし、それまでは、陰の如く悟られずに、林の如く徐か(静か)に構えるその泰然自若たる姿勢はまさしく山の如くであるべし、だ。
つまり、「選択と集中」の教え。
それは、我が党の運営においても、私自身の政治活動においても、事務所スタッフの役割分担においても、示唆に富むものだと思う。とくに今年は、7月の政治決戦を控えているだけに、短期集中の半年勝負だ。限られた資源の浪費だけは避けねばならない。
そして、そこに衆参ダブル選挙が来ることは、ほぼ間違いないと考えている。安倍政権が本気で戦後レジームからの脱却を目指すのであれば、憲法改正を世に問う総選挙になるに違いない。もちろん、国民喫緊の課題は、年金制度の根本的改革や医療や教育現場の刷新をはじめ生活密着型のものであることはいうまでもない。民主党としては、ここを主戦場に次期通常国会を戦う決意だ。
しかし、選挙の争点を設定できるのは野党ではなく与党だ。かりに憲法改正を争点にして解散を打ってきた場合、一昨年夏のように「もっと大事なことがある!」とやってしまったら、再び国民から「民主党は逃げた」と取られることだろう。その轍だけは絶対に踏んではならない。
しかも、すでに中川自民幹事長は、「3本の矢」として、公務員改革、教育、社会保険庁改革を挙げ、民主党のアキレス腱に対する集中攻撃を宣言している。アキレス腱とは、ずばり官公労と民主党との関係だ。この関係を「変革」できなければ、民主党は必要な改革に対する「抵抗勢力」との烙印に甘んじることになろう。その瞬間に、何を訴えても有権者は聞く耳を持たず、選挙必敗のスパイラルに陥ることは必定だ。
なにも官公労と絶縁せよ、などと叫んでいるわけではない。10年前にブレア英労働党が18年ぶりに政権を奪還した原動力は、(もちろん教育改革やトランポリン型福祉の提唱など大事な要素はあるものの)労働組合に対し自己改革を迫ったことにある。日教組にしても自治労にしても、失った国民の信頼を回復するため、これまでの運動方針を転換する必要があると率直に思う。民主党は、ただ単に連合との共闘を叫ぶ前に、敵将・中川幹事長が狙いを定める官公労との関係を変革する意思を鮮明にすべきだ。
我が党国会議員を総動員して、通常国会で生活密着の内政課題で安倍政権を追い込むと同時に、官公労との関係の変革を国民にアピールすることが死命を制すると確信する。そして、憲法改正が争点となることを視野に入れて、ひるまず、逃げず正面から議論する気概を持たなければならない。その際、民主党がターゲットとしなければならないのは、「良質な保守層」である。間違っても左旋回して抵抗勢力化してはならない。それが、全党一丸となってやり切れれば、衆参ダブル勝利のメイク・ドラマが見えてくる。勝負の年、緊張の幕開けだ。
我が事務所の年間スローガンは、選択と集中。
風林火山と相通ずるものがあると思う。
「風林火山」の出典は孫子の兵法といわれる。
其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山、知難如陰、動如雷*(雨かんむりに廷)の冒頭の4句をその旗指物に印したものだという。
要するに、時が来たれば、雷の如く立ち上がり、つむじ風の如く突進し、猛火で焼き尽くす如く一気呵成に勝負をかける。しかし、それまでは、陰の如く悟られずに、林の如く徐か(静か)に構えるその泰然自若たる姿勢はまさしく山の如くであるべし、だ。
つまり、「選択と集中」の教え。
それは、我が党の運営においても、私自身の政治活動においても、事務所スタッフの役割分担においても、示唆に富むものだと思う。とくに今年は、7月の政治決戦を控えているだけに、短期集中の半年勝負だ。限られた資源の浪費だけは避けねばならない。
そして、そこに衆参ダブル選挙が来ることは、ほぼ間違いないと考えている。安倍政権が本気で戦後レジームからの脱却を目指すのであれば、憲法改正を世に問う総選挙になるに違いない。もちろん、国民喫緊の課題は、年金制度の根本的改革や医療や教育現場の刷新をはじめ生活密着型のものであることはいうまでもない。民主党としては、ここを主戦場に次期通常国会を戦う決意だ。
しかし、選挙の争点を設定できるのは野党ではなく与党だ。かりに憲法改正を争点にして解散を打ってきた場合、一昨年夏のように「もっと大事なことがある!」とやってしまったら、再び国民から「民主党は逃げた」と取られることだろう。その轍だけは絶対に踏んではならない。
しかも、すでに中川自民幹事長は、「3本の矢」として、公務員改革、教育、社会保険庁改革を挙げ、民主党のアキレス腱に対する集中攻撃を宣言している。アキレス腱とは、ずばり官公労と民主党との関係だ。この関係を「変革」できなければ、民主党は必要な改革に対する「抵抗勢力」との烙印に甘んじることになろう。その瞬間に、何を訴えても有権者は聞く耳を持たず、選挙必敗のスパイラルに陥ることは必定だ。
なにも官公労と絶縁せよ、などと叫んでいるわけではない。10年前にブレア英労働党が18年ぶりに政権を奪還した原動力は、(もちろん教育改革やトランポリン型福祉の提唱など大事な要素はあるものの)労働組合に対し自己改革を迫ったことにある。日教組にしても自治労にしても、失った国民の信頼を回復するため、これまでの運動方針を転換する必要があると率直に思う。民主党は、ただ単に連合との共闘を叫ぶ前に、敵将・中川幹事長が狙いを定める官公労との関係を変革する意思を鮮明にすべきだ。
我が党国会議員を総動員して、通常国会で生活密着の内政課題で安倍政権を追い込むと同時に、官公労との関係の変革を国民にアピールすることが死命を制すると確信する。そして、憲法改正が争点となることを視野に入れて、ひるまず、逃げず正面から議論する気概を持たなければならない。その際、民主党がターゲットとしなければならないのは、「良質な保守層」である。間違っても左旋回して抵抗勢力化してはならない。それが、全党一丸となってやり切れれば、衆参ダブル勝利のメイク・ドラマが見えてくる。勝負の年、緊張の幕開けだ。