小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

北陸新幹線の延伸に思う:

2015年03月03日 | 社会戯評
北陸新幹線の延伸に思う:
これまで、新幹線の経済効果なるものが、果たして、どれ程、その地域経済に貢献を及ぼしてきているのかという議論がなされ、今や、疑問符までも投げかけられているというのに、2週間後に、控えた北陸新幹線の金沢延伸には、これまでとは一寸異なった視点での期待論が湧き上がっているのは、何故なのであろうか?これまで、新幹線というと、必ず、東京とその駅までとの関係性で、論じられることが多く、その地方の駅から、周辺への波及効果などと謂う観点からは、余り、周辺面での、地方間地方間の影響力は、論じられてきていたような感じはしない。しかしながら、今回、どうもそうでもないらしい。金沢から、能登へ、或いは、黒部から、白川郷、高山へと、或いは、妙高高原から、フェリーで佐渡島へという様々なアクセスも、充分、可能性を秘めているらしい。又、富山の薬産業や繊維・建材・ファスナー・メーカーを核にした東京本店移転などによる新しい街作りの実験とか、なかなか、面白い取り組が企画されているらしい。こうなると、もう、東京パッシングも、まんざら、夢物語ではなくなるのかも知れない。ひょっとすると、地方の一都市でも、C-C やB-Cをベースにした直接的に、グローバルな顧客を相手にした商売も、不可能ではないであろう。謂わば、地方からの海外直接発信であろうか?小諸では、その昔、長野新幹線開通の時に、新幹線の止まらぬ都市開発を目指して、スキップすることを甘受するという逆張りの戦略を選択したものの、残念乍ら、この10年間というもの、明らかに、この誇らしげに掲げた崇高なアンチ・テーゼに対して、具体的な成果と進展がみられない。むしろ、下げ止まりなのであろうか?それとも、歯止めがかからないのか?一体、地方都市の魅力とは、何をベースに、訴求したら宜しいのであろうか?いくら待っていても、顧客は来てくれる訳ではないし、新たに、線路が、先に、延びれば延びるほど、これまでの到着地点は、今度は、通過地点駅としかなりかねない。北陸新幹線の延伸により、立山連山と日本海と同時に、愉しめること、食事も観光も、或いは、今日の雅の文化も歴史も温泉も手軽に愉しめるという魅力が、手に入るということになれば、一度は、行ってみたいと言うことになるのかも知れない。あのノドグロの刺身も悪くないし、旧い町屋の「忍ぶ笛」を聴きに行ってみたくなる。どのように、各地方都市は、その魅力を発信しうるのであろうか?それとも、それに失敗したところは、結局、ひねたしょぼくれた物言いしか出来ないのであろうか?一体、どちらになるのであろうか?