ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

馬鹿な自分が

2019-10-18 04:38:25 | 短歌





いやらしい ことをしたいと 思うのは 馬鹿な自分が つらいからだよ





*大火節ですね。これも話し言葉がそのまま歌になったような作品だ。自然にこういうのができるのが、彼のすごいところです。なんだか明快すぎて、解説を入れるのも不要なようだが、一応やってみましょう。

人間の馬鹿というのは、いやらしいことをしたいと思うものらしい。人を馬鹿にして、人を傷つけたいと思うものらしいです。なぜならそれは自分がつらいから。自分を馬鹿だと思っていて、それがつらいからなのです。

自分は馬鹿なことばかりしている。それが嫌でたまらない。こんな自分など馬鹿だからいやだ。それが苦しくてたまらない。だがあいつは自分ではない。それだけで自分よりいいものに思える。だから憎い。いやなことをしてやる。

ここらへんが、馬鹿者の心理というものでしょう。

しかし自分というものは、本来馬鹿なものではありません。それはすばらしい機能を持ったすばらしい命なのです。神はそういう風にわたしたちを創ってくださった。それを馬鹿にしているのは、自分なのです。

馬鹿なことをして、自分を馬鹿なものにしているのは、自分なのです。

それで他人がうらやましくてたまらなくなって、他人を傷つけることばかりしてしまう。そんな自分がまたいやになる。いやなことばかりして、いいことはなにもしないからです。そんな矛盾のスパイラルの中で、馬鹿者の精神は苦しんでいる。

そこから自分を救うためには、本当の自分の真価に気づくことです。自分の本来のすばらしさに気づくことです。これを解脱というのですが。

馬鹿者は嘘で築いた偽物の自分にこだわって、なかなかそれをやりたがらない。

いつまでも矛盾の中に苦しみ、人を馬鹿にしてばかりいる。それが自分の不幸の種だと、気づいていない。

だから馬鹿だと言われるのです。





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