ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

愛なき砂

2019-11-07 04:44:37 | 短歌





何もせぬ 深きまよひに 苦しみて 愛なき砂に しづみゆく人





*今、馬鹿者は、愛が離れていくことに、苦しみあえいでいます。

馬鹿なことをしすぎて、人に迷惑ばかりかけていたら、とうとう愛の限界を超えて、愛が一斉に離れていったのです。

自分の周りに愛が何もない。誰も何もしてくれない。誰も愛してくれない。そんな寒い状況の中で、馬鹿者は愛を欲しがって泣き叫んでいるのです。

しかし、どんなに愛を呼んでも、愛は来てくれない。もう馬鹿者に愛想をつかしたからです。

愛は何億度と裏切られようと、来てくれていたが、馬鹿者はとうとう最後までそれに答えなかった。裏切りぬいた。ゆえに愛はもう、馬鹿者を愛することをやめたのです。

そうなって初めて、馬鹿者は愛がどんなにいいものか、わかったのです。

馬鹿者は愛の世界から追い出され、愛のない世界へと赴かねばならない。それがあまりにつらいので、愛、愛、愛、と馬鹿のように繰り返している。

しかし泣き叫んでいるだけでは愛はきてくれません。愛が欲しいのなら、もう自分から愛していくよりないのです。自分の中にある愛を表現し、愛をかせいでいくよりないのです。

愛を発揮し、自分から人の下になって人に尽くしていくのです。それをずっと続けていくのです。そうすれば、愛が振り向いてくれる。自分が愛した分だけ、愛が返ってくるのです。

しかしそんなことを何もしなければ、ずっと愛に背かれたまま、人は孤独でいなければなりません。

愛のない砂の世界で、ずっとしびれた悲哀にしみこんだままでいなければなりません。





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