チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

201001裏 小包第4期 不足料金を徴収するためOdjavaを指定

2008年02月02日 18時02分50秒 | 小包第4期
201001裏 小包第4期 不足料金を徴収するためOdjavaを指定

到着印:PTUJ -1. X. 20 – *8a*(1920年10月1日)、スロヴェニア語表記
小包受取人サイン日付:1920年10月2日

上部の記載: -1.20 odj. 4/10 赤鉛筆による下線
この小包は料金が1.20 Kronen不足しています。
小包の料金不足に関しては、料金計算と切手の貼り付けが全て郵便局員により行われたため、責任は全て郵便局側にあります。このため、葉書や封書のように不足額の2倍の不足料金を徴収することは行われず、不足額だけが徴収されました。
odj.はセルボクロアート語でodjavaを意味しており、小包受取人が不足額1.20 Kronenの支払いを拒否したため、小包発送者から不足額1.20 Kronenを徴収するために、小包発送局であるIVANKOVCI郵便局に通知する通知状odjavaを10月4日に発送したことを示していると考えられます。

小包料金不足を小包の発送者から徴収する件に関しては、参考文献(1)に収載されている「ハンガリー及びボスニア・ヘルツェゴビナ用新服務規程 オーストリア帝国商務省 ウィーン 1916年」に以下のように記載されています。

小包 §36 料金及び料金不足
4.不十分な額の切手しか貼られていない小包については、外部交換郵便局は、不足料金を小包送票に記載するものとする。この料金は受取人から徴収する。
受取人が支払いを拒絶する場合には、その小包は配達不能とみなされる。
小包を引き渡した後ではじめて不十分な切手しか貼られていないことに気づいた場合にも、不足額の徴収を試みなければならない。
支払いを拒絶する場合には、その小包の発送郵便局が発送者から不足額を徴収するために通知しなければならない。
外部交換郵便局またはその他の機関から料金不足に責任のある発送郵便局へ通知することについては、所定の手続きをする行政機関の判断にゆだねる。
(ドイツ語文献翻訳を終了)

このように、小包の送料の料金不足額の支払いを小包の受取人が拒否した場合には、配達郵便局は発送郵便局に通知して、小包の発送者から不足の料金を徴収する規定でした。
この通知状は、ハンガリー語 Visszajełentés、セルボクロアート語 Odjava、ドイツ語 Rückmeldungと呼ばれていました。

参考文献
(1)Arge der Balkan Länder, No. 130, p.6-13, (1994)
Thomas Artel
Einführung in die Verwnedung von Klebzetteln als besonderer Kennzeichnung von Paketbegleitadressen 郵便小包送票の特別表示事項へのラベルの使用
(2)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.9-14, No.50, 1999
Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
(3)Jugopošta, Journal of The Yugoslavia Study Group, p.1-7, No.52, 1999
Correction of my Article, Withdrawal of Mail in Croatia in 1919
上記2つの研究論文はブログ著者がJugopoštaに報告したものです。


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