チェインブレーカー及び関連領域の郵便史

ユーゴスラヴィア建国当時~1922年頃までの旧オーストリア・ハンガリー帝国地域のチェインブレーカーを中心とした郵便史

第4期小包 ヴォイヴォディナVojvodina地方の小包送票価格

2008年02月03日 15時27分47秒 | 小包第4期
第4期小包 ヴォイヴォディナVojvodina地方の小包送票価格

小包送票の販売価格は小包送票に収入印紙として印刷されているものがほとんどであり、その価格は小包料金には含まれずに収入印紙として領収されています。
第4期のヴォイヴォディナVojvodina地方の小包送票に関しては、これから順次ご紹介する私のコレクションで示しますように、下記のような処置が行われています。
これだけ使用例がまとまりますと、単なる小包料金の計算ミスとは考えられないと思いまとめてみました。

(1)代金引換のない小包送票
60 vinar (15 para)分の切手を小包送票に貼り付けて小包送票代金を徴収したものが多く見られます。貼られている切手は収入印紙として使用されています。
ただし、15 para 4例の他に、10 para 1例, 25 para 2例, 30 para 1例の使用例もあります。

私の所有している使用例
1920年12月21日 Zombor 15 para
1921年01月06日Nagybecskerek 15 para
1921年01月10日Ofutak 10 para
1921年01月17日Apatin 15 para
1921年03月10日Subotica 15 para
1921年04月13日Pančevo 30 para (15 para普通切手+15 para慈善切手)
1921年04月13日Pančevo 25 para (15 para普通切手+10 para慈善切手)
1921年04月13日Pančevo 25 para (15 para普通切手+10 para慈善切手)


(2)代金引換のある小包送票
130 vinar (32.5 para)分の切手を小包送票に貼り付けて小包送票代金を徴収したものが多く見られます。貼られている切手は収入印紙として使用されています。

私の所有している使用例
1920年10月02日Ujvidék 130 vinar
1921年01月17日Ujvidék 130 vinar
1921年03月11日Vršac 130 vinar
(1921年03月21日Kula 130 vinar分の切手貼り付け無し、別に現金徴収の可能性もあり)

備考
①「追加貼り付けした切手により徴収した小包送票料金(60, 130 vinarなど)」と
②「小包送票にあらかじめ印刷されている収入印紙」
の関係は不明確です。
郵便局窓口で小包送票の販売のときに、①+②の価格で売ったのか、あるいは①の価格だけで売ったのかは資料がありませんので分かりません。

尚、私が知る限りにおいて、小包送票に切手を印紙として追加貼り付けして小包送票の値上に対処したのは、小包第4期のヴォイヴォディナVojvodina地方だけであり、他の時期と他の地域ではこのような処置が実施された例を私は知りません。

今後の研究課題
第4期のヴォイヴォディナVojvodina地方の小包送票の販売価格(収入印紙として領収)に関する文献はありません。
この分野はさらに数多くの使用例の検討が必要であり、今後の研究課題です。
このような使用例をお持ちでしたら、ご連絡下さい。
ただし、郵便為替証書の販売価格(収入印紙として領収)は、地方と時期により大きく異なることが報告されていますので(文献1)、小包送票も同様の状況であったと考えられます。

(文献1)郵便為替証書の販売価格に関する文献
Nachrichtenblatt der Arbeitsgemeinschaft Jugoslawien und Nachfolgestaaten 97-98/2006, p.1931-1945 (2006)
Prof. Dr.-Ing. Klaus Wieland
SHS 1918 bis 1921: Fiskalische Zusatzfrankaturen auf Postanweisungs-Formularen
SHS 1918年-1921年: 郵便為替証書への収入印紙としての追加貼り付け


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。