クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

J・S・バッハのゴルトベルク変奏曲 トレヴァー・ピノック(cem)

2007年11月21日 05時20分34秒 | 器楽曲
伊予路に氷雨が降りました。寒くなりました。
関東以北は、だいぶ冷えたそうです(今日も寒い予報ですね)。
ジョギングしていても、冷気が胸・肺を刺激します。そろそろ防寒スタイルで、朝ジョグといきましょう。

今日は若者の演奏。

J・S・バッハのゴルトベルク変奏曲 BWV988。
トレヴァー・ピノックのチェンバロ独奏。
1980年4月、パリのコンセルヴァトワールでの録音。アルヒーフ盤。

ピノックの若々しいチェンバロ。ピノックを初めて知ったのはこの演奏だった。
主題はテンポが遅く、ゆったりとよく歌う演奏。その歌が爽やかで、チェンバロの響きも実に自然で涼やか。爽快感に満ちた演奏と思う。

変奏に入ると、ピノックの演奏は自由自在、格調高くやるところもあれば、思い切り歌わせるところもあって(その歌は随分情念的な感じもする)、聴いていて実に楽しい。飽きない。全体的にサッパリとした弾き方で、モヤモヤ・モコモコしていないのが、当時若武者ピノックの流儀だった。
キビキビした奏法、歯切れの良いアーティキュレーションで、バッハの変奏曲の技法が全て注ぎ込まれたこの大傑作を、青春・青年の響きにして再現してゆく。見事なもんだなぁと思う。夢と情熱と、活力と。若いってエエですね。

カイザリンク伯爵とはいかぬまでも、この曲を流しっぱなしにしてゴソゴソ事務仕事をするのは、結構能率が上がるもんです。
バッハの緻密な書法、極められた対位法が、身体に良いのか、仕事がさくさく進んでいきます。
眠くなることはありませんので、やはりこの曲、カイザリンクの不眠解消には役に立たなかったかもしれません。

録音は素晴らしいもの。
アナログ最末期の優秀録音と思います。

さて、ピノックは今どうしているんでしょう。
あの1980年代の輝いていたころの彼の音楽は、実に新鮮でありました。




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