クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

モーツァルトのレクイエム ニ短調 K.626 カラヤン/ウィーン・フィル(1986年DG盤)

2008年12月06日 05時33分00秒 | 声楽曲・オペラ
12月5日は、敬愛するモーツァルトの命日です。HNの一部、この天才から僕は頂戴しました。そして、今年はカラヤンのメモリアル・イヤーでありました。今年もカラヤンの演奏をCDでLPで沢山聴きました。そういえば、カラヤンの出身はモーツァルトゆかりのザルツブルク。ならば、今日はカラヤンのモーツァルトで聴きましょう。モーツァルトのレクイエム ニ短調 K.626。ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ウィーン・フィルの演奏。アンナ・トモワ=シントウ(ソプラノ)、ヘルガ・ミュラー=モリナーリ(アルト)、ヴィンソンコール(テノール)、パータ・ブルチュラーゼ(バス)らの独唱。1986年5月、ムジークフェラインザールでの録音。DG盤。カラヤンの晩年、最後のモツ・レク。カラヤンは何度もモーツァルトのレクイエムを再録音してきたが、これはその最後にあたる。気合いの入ったところと、枯淡の境地が併存する独特の演奏。カラヤンらしく美しく響くのだが、怒濤の迫力といったものはない。力強さとか、逞しさだとか、男性的なガッツには欠けるものの、仕上げはホンマに美しい。合唱がちと弱いかな。まあ、美しさを追求する分、ガッチリした強さには意を払っていないという、そういう音楽づくりなのかもしれない。ジュスマイヤー版での演奏。これが、聴いていて一番しっくり来るかな。世にはバイヤー版とかモーンダー版、ロビンス・ランドン版などがあって、それぞれ特徴的な演奏をしているようなのだが、僕はシロウトなので、昔ながらのジュスマイヤー版で十分。感動も大きい。音楽学者たちにとって、「版」の問題はとても重要なのだろうが、僕らは聴いて如何に感動するかどうかが問題なので、校訂に校訂を重ねて、いわば重箱の隅をつついてこねくり回したような演奏は、ことモーツァルトのレクイエムを聴く上では些末なことのように思える。結局、感動できる音楽かどうか、だろう。カラヤン&ウィーン・フィルの演奏は、ひたすら美しいまとめ方。フォルティシモの迫力は結構あるのだが、無理な大きさを要求していない感じ。それよりも、モーツァルトの美を尊んでいるのだろう。(合唱や音楽の力強さを期待するなら、他の演奏を聴けばいいでしょ。ベーム&VPO盤とかね)独唱はそれぞれ巧い。アンナ・トモワ=シントウはちと衰えたかな。全盛期はもっと凄かったような気がする。録音はまずまずと言ったところでしょうか。やや平面的な音がしてます。デジタル時代になってのDGのカラヤン録音は、ペタッとした平板な音づくりが特徴なんですが、このCDもその例に漏れません。聴きやすい音ではあると思います。今年も沢山モーツァルトを聴きました。彼には随分救われてきました。

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