538ねん。

プログラムピクチャーとごみ映画を懐かしく語りたいなと・・・

天使の牙

2008-12-10 20:14:16 | 邦画
大沢在昌の小説って、ハードボイルドと言われているんですが
ニッポン的情緒な男のロマンをハードボイルドという形式を借りて表現してるんだと思ってるんですが

そこいらのロマンを大沢たかおが演じきれるとは
端から思ってましたが  やっぱり  と言った映画でしたね

と言いつつもこの作品の主人公は女ですよねぇ
そう刑事アスカ
その入れ替わる前のアスカを黒谷友香が凛々しく演じてましたね。

脳の移植が前面に打ち出されていたので
大沢在昌作品好きなのですが
未読だったので、ある意味面白く見させて貰いましたが

麻薬王にしては君国が住んでるところが廃墟みたいだし
あれだけ警察が躍起になってるのに
簡単に大沢たかおが君国宅にあっけなくやって来るのが
なんなんかなぁ?

ワイヤーとCGで見せる映画でしたが
飛んでくる弾をCGで見せたりと
映画技術としては時代の粋を集めて製作されてますが

映画の手作り感が薄いんですよね。

そうですね日テレ制作なのと
役者さんのキャスティングの関係なのか
濡れ場にヌードが必然なはずなのに
映画でその辺が描かれなくなってきてる
日本映画事情が
最近の日本映画ブームなのに
ある意味なんなんかなぁ
と思うのは 私だけ?

ま、昔は役として
とか必要ならとか
言って脱いでくれる女優さんも居たのにねぇ。

男のロマンじゃなく
強い女を描いた作品だったようで
そう言う意味では佐田真由美さんは良かった気がする。

2時間はきつい映画だったが
エンドクレジット後に
パート2に繋がるような意味深な映像を置かないでね・・・

赤い部屋の恋人

2008-12-09 23:38:45 | 洋画
「スラムダンス」のウェイン・ワン監督作品。
なにせB級作品しか見ないもので、「スモーク」とか見てません(汗

赤いヒールにチュッパチャップスの赤、
グロスの赤にさそわれて見た映画でしたので・・・

何の予備知識もなく、モリー・パーカーにやられたようです。
モリー・パーカーは「キスト」では全裸で死体にまたがってましたけど

この映画でも体当たりで出演されていましたね。
ストリップのシーンではチュッパチャップス(この商品名自体エロですよね)
cuntに入れてお客さんに舐めさせてるのね

米版のDVDで見ましたが
原題が「THE CENTER OF THE WORLD」
世界の中心で愛を叫ぶ

世界の中心がラスベガスなのですね
確かに世界遺産みたな景物がこの砂漠の都市にほとんど集まってる
そういう意味でもベガスは世界の中心かも

モリー・パーカーがスッピンで化粧するシーンがあるんですが
それと、昼ピーター・サーガスドと町を歩くシーンとか
ものすごくそばかすだらけなんですね
ハリウッドの女優さんは相当の化け上手なのか

「キスト」で死体にまたがってるトコもソバカスには気づきませんでしたし

ノンセックスと言ったって
やっぱ男と女
金で繋がってるとは言っても
人間の心は・・・

ある意味旅に出るということは非日常なわけで
ベガスも自分の町自体が世界をもってきている
非日常の象徴であるわけで
そこでの二人の出来事も結局は日常に持ち帰ることができなかったのは
必然ということで

ラストのシーンが利いてくるわけですねぇ

博奕打ち 殴り込み

2008-12-08 21:40:53 | 邦画
東映着流しやくざ映画「博奕打ち」シリーズの何作目になるのだろう?
脚本は笠原和夫、小沢茂弘監督作品

タイトルどうり、殴り込みで始まり
殴り込みで終わるのね
って、ほとんどの東映やくざが同じパターンではありますが・・・

加東大助の初老ヤクザがある意味主人公なのかも
父と名乗れず
手柄をあげられず
寄る年波の悲哀をよく表していましたね

二本ドス鶴田の殴り込み
って、ラスト橋の欄干に突き立てたドス
加東と鶴田の二人を表現してるのですが

小刀造りになってる鶴田のドスなんですが
確か最初の殴り込みで
加東を助け起こすときに放ったはず

そのまま病院へ
っていうカットだったんですが・・・
いつ拾ったのか?
務所中どこにあったのか
ま、いいか映画ですから(笑

中田ダイマル ラケットのお笑いリリーフ
玉川一郎の浪曲と
琴線にふれてくる作劇ですが

ミヤコ蝶々さんの使い方がぜいたくでんな

そしてそして名和宏の良い方の役どころ
と待田京介の拳銃遣いといい

と見所がいっぱいの掌編としてできあがってました。

血を吸う薔薇

2008-12-07 23:26:36 | 邦画
岸田森の代表役として夙に有名な作品になってるようですね。
岸田さんはどんな役を演じられても代表作としてしまう役者さんでしたので、本当に惜しい方を早く亡くしてしまった気がする。

何が代表かと言うと
日本で吸血鬼ドラキュラを演じられる唯一の役者さんになってしまうのかな。

血を吸うシリーズ三部作なのですが岸田さんが出演されてるのは後半2作のみなのですけどね
この3作目が一番面白いんですよね

黒沢年男もある面でおさえた演技そてるし、田中邦衛が脇を固めてるのが強みかなぁ。

彼が吸血鬼の伝説を語るんですが
通常のドラキュラだと永遠の命っていうのが保障されてるんですがドラキュラ伯爵には
しかし、この吸血鬼は難破外国人の怨念が吸血鬼化してるので
生きながらえていくには他人の肉体への憑依が必要になってくる
ニッポン的ドラキュラ新解釈なんですねぇ

だから夜じゃなくても昼でも人前に出られる?
吸血鬼の住む学長宅の夜景と不気味な夜空は書き割りでしたねぇ
この頃のスタジオ製作ではよく見かける映像処理でしたが
イマじゃCGとかになるのかな

でそのCGも無い時代に
ドラキュラの死骸が朽ち果てていく様を特殊効果で描いてるのが当時の最新の特撮技術だったのでしょうか

ラスト岸田吸血鬼の手が夫人の手に重なる
ここがこの映画最大のメッセージ
吸血鬼の愛の証をきちんとメッセージとして表現してるのがよかった。

しかしおどろおどろしくなく、ちっとも怖くない映画でした。

五条霊戦記/GOJOE

2008-12-06 21:44:22 | 邦画
京の五条の橋の上、大の男の弁慶が
牛若めがけて・・・

牛若丸と弁慶のお話である
五条橋に夜な夜な現れる鬼退治の物語。

おもしろかったのは、弁慶を主人公として居る点で
その弁慶が世のため人のためと、己を解放するために
鬼に向かっていくという

で、鬼は浅野忠信演じる遮那王あり、打倒平家というか
体制に反逆してる人物
公儀はこういう反逆者を鬼として退治して、人心の不安を去り
政治をあんていさせようとするのがいつの世の常である
が、鬼討伐隊はいつも殲滅される

ここいらの描写がいい
草が舞、血が飛び
草むらがざわついた一瞬で制圧されていく

また巷間伝わる弁慶の刀狩りの件も狂言回し的な刀鍛冶がはんにんだったという
まさに意表をつく展開が面白いのだが
すべての登場人物が登場し、それぞれの思惑が観客に知れ渡るまでの導入がちょっとかったるい気がするけど・・・

京都の町の皇居に向かっての左半分はこんな無人の野原だったようで
リアリテイのない空間でリアリテイのない物語がてんかいしていくのが面白いのですが
見てるこっちは登場人物の誰にも感情移入できない
というか役柄が観客の感情移入をあえて拒否しちゃってるんんで

ラストの弁慶・義経の変わり身での東国行脚のオチにはたまげましたが
この時代何があってもおかしくはないな
ということもこの映画で再認識させられたのも事実

画面と相まって内容も暗かったなぁ

十七人の忍者

2008-12-05 23:56:04 | 邦画
いわゆる東映集団時代劇のはしりの映画。
この映画のアトで公開されたのが「十三人の刺客」
どちらも池上金男脚本。この人時代劇のホンもいけるけど、
日活の無頼シリーズの脚本も書いていたりするんですよね。
ストーリーテリングの非常に上手な方。

本作も集団忍者に挑む知能・技能に長けた根来忍者の生き残りに近衛十四郎。
伊賀忍者の頭領に大友柳太郎
この二人の駆け引きのサスペンスと緊張感がモノクロシネマスコープ画面にみなぎってかなりの秀作になってる。

集団時代劇は、東映がチャンバラ時代劇に終焉がきて、ギャング映画に活路を求めて・・・ヤクザ映画の金鉱を掘り当てるまでの鉱脈探しの中でみつけた
砂金みたいな映画でしたが
ある意味これで息をつないでいたような・・・

クレジットは里見浩太朗さんが1枚看板になってましたねぇ
伊賀の忍者集団の一人で、
家光を将軍職い就かせるタメに、忠長の駿河のお城に忍び込むという

この人が後年、忠長卿の忘れ形見松平長七郎を代表作としてしまうとは
この時には知るよしもなしですな

リアリズムを重視するためでしょうか、殺陣というかチャンバラを極力廃し
忍者の技と、敵対敵の駆け引きを重視させた脚本がひかりますね。

もうすこし残酷さを出してもよかったような気がしますが
近衛、大友の時代がかった芝居による心理戦にホンの主体がいってるので
ある意味そこが成功の要因かとおもえましたが

不思議なのは白黒映画でも色が見えてくるんですねぇ脳内で・・・

イン・ザ・カット

2008-12-04 23:12:57 | 洋画
女の性を描くことにあくなき執念をみせるジェーン・カンピオン監督が
メグ・ライアンを使って女の眠れる性を目覚めさせたサスペンス映画なのですが

サスペンスとしては底が割れていて1時間20分を持たせることができてないし
いまさら崩れたメグちゃんのおっぱいが売りでもなかったような気がするのですが。

しかし、主人公はとっくに女としての性を捨てた中年女性
と言う点においてはメグちゃんのハダカはビンゴですね。

とあるバーの地下でいきずりの情事を目撃して
忘れていた
というか、意識して捨てていた性が目覚めてしまった
中年女を見事自己の肉体とともに演じきってくれてるメグちゃんには
拍手を・・・

っていうか米版のDVDで見たのですが
ちゃんとペニスをサッキングしてるシーンを撮ってるんですね
余分な映像カットに思えるのですが
このサッキングシーンが主人公の女の肉体の裡に性の炎を生じさせるためにも必須と考えて
監督さんは・・・って脚本もジェーン・カンピオンなので、あえて撮ったのかな・・・と

しかし、刑事の相手役のしょぼさが映画をつまないものにさせてるのですが
ここも監督さんがこだわってしょぼさを演出したのかな
火のついた女の性に男へのこだわりは無用といったような
男ならだれでもよかったみたいな
でも、生徒とは・・・キスしてるうちに職業意識に目覚めたとか

こちとら男ですので、そこいらがわかりませんが
映像からはそう読み取れたのですがね

拳銃の伏線はしっかり張られていましたが
これもバレバレでしたね。

混血児リカ ひとりゆくさすらい旅

2008-12-03 23:28:52 | 邦画
前作「混血児リカ」につづく2作目。
2作目も新藤兼人脚本、中平康監督作品で近代映協の映画で東宝のロゴですねぇ
プログラムピクチャーとしては晩年の作品にあtるのですが

やっぱ制作費がまわらない
配役にもかなち苦労されてるようで、
殿村さんなんかは友情で出てるとしか思えない

前作の大友純さんに匹敵する悪役が高木均さん、大時代なお芝居される方ですが、ナイスキャスティング
藤木孝さん死に方がチープすぎ、鞭で打たれて拳銃で撃たれて
あわれブリーフ一丁ですよ

今回はハダカ見せななかったですね青木リカ
それにしても相変わらずの独活の大木
浜かおるさんがヤクザのオンナ親分
普通だったら主人公と手を結ぶシノップスなのに最後まで敵対関係
新藤脚本の確信的な箇所ですよね

それにしてもどうしてこんなにアポーンな映画なんでしょうか
三沢までロケに行ってるんですが
当時の映画にあるまじきノンタイアップですので
観光シーンもないし

冒頭の殺し屋VSリカで三島まで何人が死んだのかしら?
それにしても三沢駅で遭遇した子供
このエピソードがふくらむかと思いましたがこれも肩すかし

ま、エロなし、グロなしなナンセンス映画といったところでしょうか?
ラストのクレジットが終わったところで
次作へつづくような鈴木瑞穂の台詞が・・・

ということでどうやら3まであるようです。
って、米版のDVDで「RICA 3」も入手済みなんですよね・・・

ワイルドバンチ

2008-12-02 23:59:47 | 洋画
サム・ペキンパーの最高傑作だと思う。
「ゲッタウエイ」「ガルシアの首」より自分的には好きな作品である。
ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン 、ロバート・ライアン、
ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン 、エドモンド・オブライエン と役者をそろえて
それぞれが自分の持ち合いを生かした群像劇としてるとこが何とも言えない

ホールデンより、ボーグナインがいいし
さらに、男の哀愁と諦観をにじませてるロバート・ライアンが光る
個人的にはベン・ジョンソン好みなんですが・・・

世間では暴力描写が喧伝されていますが
70年の映画だったらスゴイと思いますが
21世紀の現在ではこの作品を越えた暴力描写になってるので

映画美学としてはラストのカタルシス場面のスローモーションは素晴らしいとおもいますし、血飛沫も活気的だと・・・
でも今じゃ「レッドクリフ」の血のミストのほうが美しく感じてしまいますよね

映画の作術的にはいわゆるCGとマニュファクチュアーの違いではあるのですが
黒沢明が考案した血飛沫ビューッっていう表現はやっぱすごいことなんだなぁ
と、いまさらですが・・・

DVDでディレクターズカット版を見たのですが
全然長く感じなかったのは
やっぱ登場人物に魅力があり、主人公たちの生き様死に様に共感できるからでしょうか

スズメバチ

2008-12-01 23:51:16 | 洋画
いや、おもしろかったですね。
フランス映画でもこういうアクション映画がつくれるのですね
というか、ジョン・カーペンターの「要塞警察」のパクリというかリメイクですね

映画って当てたシノップスを拝借して映画を製作しても
まんまじゃなけりゃ、いいような雰囲気は昔からあったようですが
最近はシノップスをちょっと拝借というわけにはいかないようで
各国が著作権法にのっとってリメイク権を買うようになってるようですが

「要塞警察」もアメリカでリメイクされ「アサルト13」という映画になってますが、意味不明の攻撃を狭い空間で受け
不条理のまんま死んでいく閉塞感を見事にサスペンスとしていた原作に対して
「アサルト13」はラスト拓かれた空間で犯人と対決させてしまう失敗を犯していましたが

この「スズメバチ」は悲劇におわらせない展開ではありましたが
窃盗団と警備員と警察という相容れない人々が

命をものともしないマフィアの波状攻撃に対応していくという
緊迫感が実にうまく表現されていたような
前半の登場人物の紹介部分の冗漫な
眠気を誘う表現があればこそ
銃撃のサスペンスと恐怖感がより生かされていたような気がします。

町はパリ祭だし、人々のあずかり知らないところでのドンパチというか
お祝いの花火もシノップスに生かされていたし

それにしても婦警さんの強さが引き立っていましたが
世の東西を問わず女性は男性よりも強い生き物なのかもしれませんね。