538ねん。

プログラムピクチャーとごみ映画を懐かしく語りたいなと・・・

女渡世人 おたの申します

2012-04-28 22:20:04 | 邦画
1971年製作、東映京都作品
寿引退を表明する直前の藤純子さんラス前の作品
脚本に笠原和夫、監督が山下耕作
当に、東映さんのロゴみたいな
黄金のトライアングル
もう傑作としか言い様がないけど

主人公の女渡世人は一匹狼、
日陰に咲いた一輪の花なんですが
ヤクザ映画の世界を借りて、この映画の直前に
「博奕打ち いのち札」でメロドラマを作ってしまった
笠原さんが、この映画で初めて女渡世人に
劇中で愛の告白するという
恋愛ドラマと

サブストーリーには、擬似ではありますが
母子の情愛を
母子草のために三益さんをキャスティングですか
擬似親子関係の渡世の世界に
実親子のしがらみや葛藤を組み入れるってのは
ヤクザ映画の末期になったということでしょうか

笠原和夫脚本の科白がいいですね
純子さんの「待ってください。
こんな情けない男を殺しても弟さんは喜びはしません。
私は、あんたに 赤い着物を着せたくない!」
なんて正々堂々とI love you と言ってるし

文太さんだって 「姐さん、やくざは日陰の花だ。
日陰の花が日向に咲こうとしたって、
てめえがつ らくなるだけですよ。姐さんの花の美しさは、
あっしが見てます、知ってます。」
これもI love you too ってることですよね

更にコメディリリーフの南利明さんの
「冬のカエルは考える(寒ガエル)」ってのは
アドリブかもしれませんが
一人モニター見てて笑いこけてました。

結局日陰の花は堅気の人々にはうけいれらず
ヤクザの世界にはドスまで向けざるをえなくなり・・・
カタルシスの殴り込みの殺陣が凄絶で
藤さん珍しく血みどろですが
振り回すドスが見てるこっちにもその重さが伝わってきてました
いや寿とはいえ惜しい女優さんを東映さんは
失うことだったのね
実質ポスト藤純子の映画を数本製作しても
コケまくった意味がヨークわかりました。