538ねん。

プログラムピクチャーとごみ映画を懐かしく語りたいなと・・・

女渡世人

2012-04-21 23:17:46 | 邦画
4月20日に東映ビデオから発売された東映旧作DVD
MUFGのカードCMで娘さんの寺島しのぶさんと共演されてる
富司純子(当事 藤純子)さんが東映でヤクザ路線の一角を担っていた
というか寿引退の年に製作された「女渡世人」と
「女渡世人 おたの申します」の二本を購入

早速「女渡世人」を鑑賞
「緋牡丹博徒」シリーズと「日本女侠伝」の後塵映画
ですが結婚引退が決まりシリーズとしては2本で終わった
ってかこのシリーズでも「日本女侠伝」と同じように
シリーズ通して同一のキャラクターではないンですね

兎に角売れてるうちに稼げと
本田達男の脚本は長谷川伸の「瞼の母」と
「関の彌太ッぺ」のシノップスをまんま
1本の映画にして仕舞うという荒業、

任侠の世界に生きる一匹狼の藤さんが瞼の母を捜し
鶴田さんが実の娘を信州の祖父母に預けるのを藤純子に託す
そういう二組の親子の愛情人情劇なのですが

いわゆるヤクザ社会ってのは
疑似親子の関係で成立する社会ですので
主役が肉親と疑似親子の間の葛藤させても仕方ないってことで
肉親の情愛にのみスポットを当てたのは本田達男の慧眼ですし
長谷川伸のこの二つの戯曲は正にうってつけ

が職人小沢茂弘がアッサリ撮り過ぎて
世間の評価は「女渡世人 おたの申します」の方が高いですが
人情話として見るにはこっちの方がよく出来てる
と思ってるのは私だけ?

汐路章さんの悪ヤクザの代貸の斬られ様が
親分の遠藤辰朗さんよりよかった

1971年製作、東映京都作品
本田達男脚本、小沢茂弘監督作品
藤純子、鶴田浩二、木暮実千代出演