みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『怪物はささやく』観ました。

2018-08-02 16:00:00 | 洋画
2016年:米・西。 監督:ファン・アントニオ・バヨナ。 WOWOWからの録画。
米国出身、英国で活動している作家パトリック・ネス氏の
児童文学作品を映画化したものです。
多くの作品を発表し数々の文学賞を獲っているネス氏ですが、
この作品も例外ではなく、2012年度カーネギー文学賞を受賞しています。
深みのあるストーリーは観る者を魅了してしまう力を持っていると感じます。

少年コナーの母親は癌にかかり治療中。医師はさまざまな治療をほどこすが
なかなか思わしい結果が出ず病気は進行していく。
もちろん少年は母の恢復を願っているが、さまざまに治療方針を変えても
しだいに病気が重くなっていく状況を見て、恐れを抱くようになる。
もしママが死んだら....。
決して口にしてはいけないことだけど、心の底で深く恐れるコナー。

ママと離婚して、いまは別の家族とともに外国(アメリカ)に住むパパ。
元の妻の様子を見に一時的に帰国する。
パパはいろいろ僕に言ってくるけど....。
”自分はもう子どもじゃない” 冷めた目で父親に対するコナー。
ママの入院中におばあちゃんと同居する話が出るが、それだけは死んでも嫌だ。
おばあちゃんとは小さい時から全然ソリが合わないんだ。

大人しい彼は、学校での悪童たちの格好の標的になっていた。
エスカレートしていくいじめ。教師たちは見て見ぬふり。
行き詰ったコナーは、いつか巨木の怪物の妄想をしばしば見るようになる。
きまって夜中の12時07分に。


怪物は三つの話を聞かせる。そのあとはコナーが話す番だ。

たいへん深みのある良い映画だと感じました。
通り一遍の善悪の論法などではない。
良いこと悪いことを含めて人間というものは複雑な考え方をするものだし、
それを恥ずかしく思う必要はまったく無いということが説かれます。
怪物はコナーが子どもだからなどと忖度はしない。
しかしぶっきらぼうながら愛情のある話し方にはグッときました。
なので”母親の死”を扱った映画なのに、温かみのある感情が視聴後に残りました。
また映画中に挿入されるアニメシーン。これの出来も良かったと思います。

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