みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

「テレーズの罪」観ました。

2015-06-27 17:00:00 | 洋画
2012年:フランス。 監督:クロード・ミレール。 WOWOWからの録画。
『アメリ』のヒロイン、オドレイ・トトゥが本作ではシリアスな役柄を演じています。

 
テレーズとベルナール。納得づくの結婚。      父親に伴われて式にのぞむテレーズ。

財産目当ての政略結婚が当然だった時代。ここでもそんな一組のカップル~夫婦が誕生した。
当初テレーズはそんな自分の結婚に対して疑問を持つことは無かったが、
周囲にいる義妹アンヌが自由な恋愛を謳歌している様子を見て、テレーズはなぜか苛立ちを覚える。

 
初めての恋に有頂天のアンヌ。           事情を知りヤキモキする夫ベルナール。

アンヌの結婚は家族にとっても重要事項。
相手の男が財産家だがユダヤ系と知り、家族は何とか二人を別れさせようとする。
さいわいアンヌがテレーズを信頼しているようなので別れの段取りを任されるテレーズ。

テレーズはアンヌと義母を旅行に出して、その間に相手の男を直接偵察に行く。
その結果、相手にとっては単なる遊びだったと知れる。結婚する気など全くなかったようだ。
ただ相手がなかなか男前であり、テレーズもちょっぴり憎からず感じたりもする?(^^;


男の方は本気ではなかったようだ。         医師からの処方薬を飲むベルナール。

あるとき近くの森に火事が起こる。結局自分の松林の領地は無事だったが、
心配で駆けずり回っていた夫は持病の心臓に負担がかかって体調を崩してしまう。
その時テレーズの心の中に囁く悪魔の声が.....。入ってしまった心のスイッチ。

これは自分の本当の気持ちを押さえ続けたために、知らないうちに不満が多量に
溜まってしまったということですかね~。
自由ということを知らなければ問題にならないが、なまじ自由を知ってしまうと
さまざまなことがストレスのタネとなる。近代人の悲劇ってことですかね。

自分のストレスの捌け口として、微量づつながら夫に毒を盛り続けたという怖いお話。
彼女自身、あまり罪を意識していないでやってるフシが見られてその点ではなお怖い。
この映画では夫の心臓の薬として医師は一部砒素を処方しています。
今は素人に劇薬をじかに扱わせるなどということは無いと思いますが....。

古い時代を演出するべく、室内の美術は地味でくすんだ感じにまとめています。
それでも美しいと感じさせるあたりは欧州文化の厚みというものでしょうか。

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