みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『ソング・オブ・ザ・シー』観ました。

2016-03-24 16:00:00 | 劇場用アニメ
2014年:米ユニバーサル。 監督:トム・ムーア。 米BD盤にて視聴。
アイルランド系のスタジオがメインになって制作されていますが、これだけの規模の
作品ですから、数カ国の協力も仰いでいる様子です。
パッケージのデザイン絵を見て、その美しさに感動。何としてもBDを入手したいと
思いましたが、とうとう日本盤は出ずじまい。
已むなく米盤を購入して(日本語いっさい無し)英字幕でなんとか理解に努力しました(^^;
”こりゃ~上品すぎて日本じゃ売れないかも”とか関係者の方は考えたんでしょうか。残念です。

 
ベンとク―は大の仲良し。             アイルランドの古い伝説を絵に描くベン。

本土からちょっと離れた小島に住む家族。父親コナーに長男ベン、妹セイシャ、そして犬のクー。
コナーは未だになくした妻ブロナーの面影から離れられないでいる。
そのため子どもたちに対する関心も薄く、本当の意味では人生を生きてはいないようでもある。
ベンとクー(犬)は大の仲良し。今日は浜辺に出て、アイルランドの伝説にでてくる
神さまの絵をノートに一心に描く。しかしベンは妹セイシャにはごく冷淡だ。
「絵をみせて」と寄ってくる妹をうるさがり、ついに足蹴にして追っ払ってしまう。

 
「ねえ私にも見せて」妹が寄ってくる。       アザラシの群れに誘われるように海に入るセイシャ。

その後ベンは再び絵に没頭。しかしクーの吠え声に海の方を見ると
妹は独り海の中に入り、なおも沖に向かって進んでいた。
最初ベンは知らんふりを決め込んでいたが、なおも激しく吠え続けるクー。
仕方なくセイシャの後を追うが、ひっくり返ってズブ濡れになる。
妹は何事もなかったようにしずしずと岸に引き返す。
ベンにしてみれば憤懣やるかたない、といったところ。

 
ベンの訴えをロクに聞いてくれない父。       母はセイシャを産んだ直後に亡き人に。

さっそく独りで勝手に海に入ったセイシャの行動を父親に言い付けるが
心ここにあらずと言った体でロクにベンの言うことを聞いてくれない。
父の関心は自分よりもセイシャの方にあると感じ取り、なお妹が憎くなってしまうベン。
今日はセイシャの誕生日。本土からお婆ちゃんもやってきて妹の誕生日を
祝うが、ベンだけは仏頂面。
その夜なんとなく目が覚めたセイシャは母の写真立てに見入る。自分を産んだ直後に
亡くなったと聞かされているが....。良く見ると写真立ての後ろの鍵に気がつく。

 
自分の誕生日に白いキレイなコートを見つける。   コートを着て海の中を自由に泳ぎ回るセイシャ。

物置き部屋の奥の箱を見つけて鍵を開けると、綺麗な白いコートがあった。サイズもぴったり。
あとはもう夢の中にいるように無意識にコートを着て海辺に向かう。そのまま海の中に入り
セイシャの身体は白いアザラシと化してゆく。
母親のブロナーもそうだったが、セイシャもまた海の精霊の血を受け継いでいるのだった。
これから以降、じょじょにストーリーが動き出します。
いわば兄妹の冒険物語が展開されるワケですが、
とにかく紡ぎだされる画面の美しさに何度もうっとりとなってしまいます。
実はこのアイリッシュな美の世界こそが監督の真に描きたかったことではないか、と思われます。

あと蛇足ながらセイシャの綴りは ”Saoirse” です。どう読むのか困りました。
なので自分の耳に聞こえる通りに”セイシャ”と表記しました。
女優のシアーシャ・ローナンさんと同じ綴りだと後で気が付きました。(^^;