みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』観ました。

2016-03-06 16:00:00 | 洋画
2014年:米。 監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ。 WOWOWからの録画。
なんか長~いサブタイトルがついてますが。この人、短いタイトルの映画『バベル』
の監督さんでもあるんですね~。そういうワケでちょっと期待して視聴。
この映画を観て最初に気がつくのは、ドラムの演奏がバック音楽として全編に流れていること。
思わず最近観た『セッション』を思い出しちゃいました。まあそれはともかく。

 
空中浮遊するリーガン。              触れずに物を動かせる。彼には超能力が?

かつては大作映画『バードマン』シリーズで大当たりを取り、一流映画スターとして
持て囃されていたリーガン・トムソン。
しかし今は落ち目となって久しい。家庭も崩壊し過去の栄光にわずかな慰めを見る現在。
だが彼は奮起する。
映画でダメなら演劇の世界で「もうひと花」と自作自演劇で世間にアピールしようとしている。
だが演劇に関しては素人同然のリーガン。
何もかもが思うようにいかず、イライラさせられっぱなし。

 
プロデューサーは『今いる代役で我慢しろ』     実力派俳優マイクの来訪を喜ぶリーガン。

雇った役者はヘボい上に練習中にけがを負う。急いで代役を探さなければと焦るが、
そうそう都合よく良い役者を探せるはずがない....と思いきや、向こうからやってくることに。
人気実力ともに申し分のない優秀な舞台俳優マイクが使ってくれとリーガンに会いに来る。
直ちに行う軽いリハーサル。マイクはさすがの演技力を見せつけて、一も二もなく採用となる。

  
しかしマイクの性格にはチト問題がありそう(^^;  何かにつけ、かつての栄光が顔を出す。

だが事態はそう簡単には進まない。さまざまな困難が何度もリーガンを襲う。
困難な状況になるほどに、かつての栄光時代(バードマン)の残影がリーガンの前に姿を現す。
そして自由気ままにNYの上空を飛ぶとき、彼の心はようやく自由を取り戻すのだった。
もちろんこれはリーガンの心の裡の隠れた願望が見せる幻想に過ぎないのかもしれない。
それとも冒頭の空中浮遊シーンなどに見られるように、彼の超能力は真実のものなのか?
わざとその辺はボカして描かれているようです。
そしてどちらとも取れるようなエンディングが「お主ヤルのう~」って感じですかね。

 
時にはNYの上空を気儘に飛びまわる。        リーガンを頭から否定する文化欄担当の記者。

『バベル』以来に観たイニャリトゥ監督作でした。自分はこの人の作風、好きかも知れないです。
今回もなかなか観せてくれる出来で次回作が楽しみ....ってところですね。
それにしてもアメリカの新聞の文化欄担当記者ってのはナニ様?って感じですね。
記者自らは何のリスクも犯さずに書きたいことを書く。そして時に生殺与奪の力を及ぼしたりもする。
ですがそのバックには新聞社の力がしっかりあるわけで、
その辺の自覚がなく、自分の力のように錯覚しているあたりは弊害が多いですねえ。
この映画に限らず、アーチスト側が異様に評論家の意見を気にしている描写をよく見たりしますね。
日本の場合新聞批評がそれほどの影響力をもつことはないですが、あちらではやや違うようです。
皆が新聞の批評などに踊らされず、キチンと自分の目で観ることをしていれば問題は少ないん
でしょうけど。