森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

今年のナ・ホク・ハノハノ賞に思ったこと

2020年10月12日 | ハワイアナ


春から延び延びになっていたナ・ホク・ハノハノ賞の授賞式が、ようやく昨夜、開催されましたね。

ナ・ホク…はハワイにおけるグラミー賞のようなもので、毎年たくさんの人が参加し、ディナーショー形式のきらびやかな授賞式が行われるのですが、今年は無人のシアターなどを使っての事前収録だったよう。それも各島間の旅行も規制があるため、各島をリモートで結んでの放映だったようです。

結果は、ジョシュ・タトフィが5部門獲得で、一躍時の人に! 大いに注目を浴びていますが、私なりに着目した受賞者が他に2人いまして…。

1人は、最優秀インストルメンタル賞など2賞を受賞した、ケネス・マクアカネ。過去何度もナ・ホク…を受賞した著名ミュージシャンではありますが、数年前にオアフ島最古の教会、カワイアハオ教会の牧師さんに就任していたので、音楽活動は控えめにしているのかと思っていました。ですがバリバリの現役だったのですね! 素晴らしい! おめでとうございます。

2人目は、エイミー・ハナイアリイのアルバムカバーを担当したハワイ島のクムフラ、マイカ・カモホアリイです。4年前に取材させていただき、その才能、知識、全てに惚れこんだ天才的なフラの師なのですが、デザインもお得意なのですね…。確かに、ここ数年はハワイアンウエアのデザインでも人気を集めていましたっけ。本当にこの方、レオナルド・ダビンチなみに各方面の才能に恵まれた方だと思います。

いろいろな意味で私としても行方が気になっていた今年のナ・ホク…なのですが、来年はまた、華やかな会場での授賞式が再開されることを祈っています。全ての関係者、受賞者の皆さん、お疲れさまでした!

(なお冒頭の写真は、4年前にマイカさんの自宅で見せていただいた大とかげモオの像です。これはハワイ諸島の統一を終えたカメハメハ大王が、いつも外遊のおり、以前の戦いの神クーカイリモクに代えて持ち歩いていたというもの。平和な時代、カメハメハももう、戦いの神とともに行動する必要はなくなったのですネ。6月のカメハメハデーのパレードでも、カメハメハの平和な時代を象徴するこの像のレプリカが、カメハメハ軍団の乗った山車に一緒に乗せられています。その本物がマイカさんのおうちに…。ハワイ島ワイメア在住のマイカさんの一族は、カメハメハにゆかりが強い一族なのです)
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ハンセン氏病とハワイゆかりの2人の聖者

2020年10月09日 | 歴史


樹木希林さんの最後の出演昨「あん」を、遅ればせながら家族で観賞しました。

てっきりどら焼き屋さんの義理人情物語なのかと思ったら、「どら焼き」の部分は横筋で。実はハンセン氏病患者への差別などを扱った、深~い物語だったのですね!

先日、19世紀のハワイで天然痘と戦ったボールドウィンのことを書きましたが、19世紀のハワイの感染症といえばもう1つ、このハンセン氏病を忘れることができません。

当時はまだワクチンもなく、感染すると容貌が変化して死にいたるハンセン氏病は、ポリネシア各島でそれは恐れられていました。ハワイではモロカイ島のへき地、カラウパパ半島に隔離施設が作られ、老若男女を送り続けたんですよね。

そんな、人々が死を待つばかりのカラウパパに志願して赴任し、劣悪な環境を改善して患者たちに人間としての尊厳を再びもたらそうと努力したのが、ご存知、ダミアン神父です。

ベルギー出身のダミアン神父は結局、自らもハンセン氏病にかかって亡くなりましたが、今ではその功績が認められてバチカンの聖人に。そしてダミアン神父の跡を継ぐためカラウパパに赴き、ダミアン神父の最期を看取ったマリアン尼も、同じく聖人の列に加えられています。

現代の新型コロナよりももっともっと恐ろしい感染症を恐れることなく、患者の魂の救済に生涯を捧げたダミアン神父とマリアン尼。医師はもちろんですが、聖職者というのも本当にスゴイ人々ですよね。改めて考えるに…。

昨今のコロナ騒ぎで、ハワイゆかりの2人の聖人をしみじみと思い出すこの頃です。

(冒頭の写真は、ダミアン神父と聖マリアンの遺骨を祀るダウンタウンのアワ・レディ・オブ・ピース大聖堂です)
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トランプとコロナ

2020年10月04日 | 日記


なんとトランプ夫妻のコロナ感染が判明し、アメリカ中が大騒ぎになっています。

74歳で太めのトランプはハイリスクグループに入るそうで、実際、一時はどうも酸素吸入器も使っていた模様。今日、医師団の記者会見を見ましたが、ドクター達がせっかく気をつけて話をしていても、いろいろな事実が透けて見えてしまったといいますか。

たとえばドクターは「今日は酸素吸入器を使っていない」と何度も繰り返し、ある記者の「ではかつて使ったことはあるのか」(今日以前には)という質問にはノーコメント。そして「何度熱が出たのか」という質問には答えないくせに、「心拍数は」という質問にはちゃんと数値を出して答えていました。

つまり今日以前は酸素吸入器を使ったし、高熱も出た。でも心拍数は大丈夫だった、ということになりますよね(笑)。

しかも、コロナ感染が判明したのは、ホワイトハウスが発表したようにアメリカ時間の木曜ではなく、実は水曜日だったという疑いが強くなっています。

というのもドクターが、陽性の判定は72時間前、そして48時間前に再検査で再確認、と発言したため。…日本とは時差があるアメリカでは、72時間前は水曜日ということになるのです。

記者会見の後、ドクターは自分の発言を訂正しましたが…。私は、ドクターはポロッと禁断の真実を漏らしてしまったのだと思っています。本当は、正式発表の1日前に、トランプ夫妻の陽性が判明していたのではないでしょうか?

まあ、真相は藪の中ですが、トランプ嫌いの私も、トランプの回復を祈っています。副大統領のマイク・ペンスもまた悪名高く、あの人が大統領に昇格してしまったら大変! そう考えるからです。

そんなこんなで、しばらくTVの前を離れられなそうなアメリカのこの頃。こんな様子が来月の大統領選まで続くカモ?しれません。

(冒頭の写真は、先週モクレイアビーチで出会ったモンクシールです)
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19世紀の疫病と戦った宣教師、ボールドウィン

2020年10月01日 | 歴史


何だか心が落ち着かないこの頃です。コロナのこともありますが、来月に迫ったアメリカ大統領選も要因の一つ(ホント)。昨日の初討論会も見苦しかったですね~。トランプが勝ったら大変! ついそんな心配をしてしまいます。

さて、最近はいろいろ、マウイ島&カウアイ島の勉強をしていました。そんな中で特に気になったのが、マウイ島ラハイナのボールドウィン博物館です(上の写真)。

なぜかというと…。この博物館はコネチカット出身の宣教師かつ医師だったドゥワイト・ボールドウィンの家を公開しているのですが、ボールドウィンはハワイ各島で天然痘が猛威をふるった1853年、マウイでの蔓延を水際でくい止めた英雄的な人物なのです。



イエール&ハーバード大学で学んだ優秀な医師だったボールドウィン。1835年にハワイ入りし、天然痘の流行時にはマウイ島でいち早く人々にワクチンを接種。被害の大きかったオアフ島との行き来を禁じたり検疫所や患者の隔離施設も設けて、被害を最小限にくい止めたのですね。

その結果、ハワイ全体で1万人超の死者が出た中、マウイでの死者はわずか数百人だったそうです。

19世紀のハワイで、疫病対策の基礎の基礎を早々に実施し、人々を救ったボールドウィン。ああ、なんて素晴らしいのでしょう! こういう真のリーダーシップを持った人が今、アメリカ大統領だったりハワイ州知事だったりしたら最高でしたネ。

まだまだコロナ禍は続きますが、ハワイの感染者数も1日100人前後に落ち着いてきました。先週からショップも再オープンして、以前の街の賑わいがやや戻ってきたかな? 日本からの皆さんをお迎えできるのも、もう少しです!

引き続き、日本&ハワイで頑張っていきましょうね。美しい中秋の名月でも愛でながら…。
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