森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

「アメリカの良心」はどこに?

2023年06月16日 | 日記


話がハワイから逸れますが…。このたびのトランプ騒ぎに、心がものすごくザワついています。連邦裁判所への出廷は一昨日のことになりますが、今もなおザワザワ。

日本でも報道されている通り、トランプはホワイトハウスから大量の機密文書を持ち出した容疑で起訴されているのですよね。その37の罪状全てに無罪を主張したのは、まあいいとしましょう。この段階ではとりあえず無罪を申請し、裁判などの日程までに司法交渉するのは、アメリカでは当たり前のこと。想定内の手続きなので、そんなことはどうでもいいと言いますか(なのになぜ日本のニュースではそのことに言及するのか、イマイチわかりません)。

問題は、今回の容疑の深刻さです。持ち出した文書はただうっかり持ち出した類いの文書ではなく、アメリカの核戦略だの防衛戦略だの各国の軍事能力の分析だの、明らかに国防の要めになる最高機密なのですよね。それをトランプは、いったいどんな理由で持ち出したのでしょうか。しかも当局から照合があってもそれらを返さず、自分の弁護団にまで嘘をつき…。

その目的についていろいろ憶測されていますが、私が恐れるのは、トランプがそれをプーティンのような恐ろしい人間との取引の切り札にしようとしていたのでは…という可能性です。それはもしかしたら、大統領選の支援を得るためかもしれません。はたまた金の亡者トランプが、何兆円もロシアから引き出そうとしたのかもしれません。

ただの推測とはいえ、どんな不純な動機でトランプは国家の最高機密を持ち出したのか。…ある種の機密書類は、大統領による機密解除の如何に全く関わらずスパイ防止法の対象になるほどの大変な機密事項だったわけですし(トランプは、これらの書類を機密解除したのだから問題ないと嘘をついていますが、そもそもその理論がもう通用しないわけで)。

そんな大罪の容疑がかかっているにもかかわらず、トランプはしれっと自分はハメられただの、これはバイデン政権の策略だ、職権乱用だのと言い張って。しかもそれを鵜吞みにするサポーターが多いこの現実に、私は身震いしています。

トランプ支持者を馬鹿者扱いするつもりはありませんが、あの人たちはもう知性で物事を判断するのを、ずっと昔にやめた人々なのだと思います。トランプを支持するのも、ただ単純に強いアメリカを求め、トランプの提唱する移民排除政策が大好きだったりするからなのだと思います。ようするに白人至上主義者…。

このような深刻な事態を目の当たりにしながら、それでもトランプの支持率は不動で、寄付金も続々と集まっているとは…。そんな人たちには、もう何を言っても通じないのでしょうね。でも、もしこのままトランプが再選されてしまったら、アメリカは、世界は、どうなるのでしょう…。フと絶望的な気持ちなるこの頃ですが、なんとかここでアメリカが踏ん張り、「アメリカの良心」を世界に示してほしい。そう願ってやみません。
コメント (2)
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