森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

本物のアフプアア境界線を見た話

2015年01月21日 | ハワイアナ


寒さのなか、しばらく冬眠?していました…が、最近のハワイは南国らしい気候が戻ってきました! 毎日、爽やかな気候が続いています。

さて、現在発売中のフラ専門誌「フラレア」、見ていただけましたでしょうか? 今回、表紙撮影にも立ち合いましたが、今号は珍しく、現代フラではなく古典フラのダンサーが表紙を飾っています。カッコイイ!



撮影場所は、オアフ島東部のクアロア牧場なのですが。撮影日は雲一つない晴天で、素晴らしい表紙が撮れました。モデルは、クムフラ、故アロハ・デリレイの孫のキリちゃんです。

昨年12月には、この表紙撮影のほか、神話の記事の取材のためにもクアロア牧場を訪れました。クアロアは、オアフ島でも1,2の聖地。神話の宝庫でもあるんですよね。私もクアロアは大好きで! 子供達が小さい頃は、よくビーチパークでキャンプしたものでした。

さらにこのたび、最高にラッキーなことに、クアロア牧場内で本物のアフプアアの境界の石垣を見ることができたんです。あ、アフプアアというのは古代ハワイの地区区分のこと。海の恵み、山の恵みが各村落に行き渡るよう、ハワイの土地は山から海辺にかけて縦割りされ、統治されていました。どんな小さな地区でも、必ず海と山が入っていました。その区分をアフプアアと言います。

最近オアフではこのアフプアアの境界を示す、看板などが新たに設置されているので、住民にも「ああ、ここから先がホノルルのアフプアアなのか」なんてよくわかるのが嬉しい限りです。

前置きが長くなりましたが、昔、各アフプアアは、石垣のようなもので区切られていたとか。さらに祭壇(Ahu)もあり、その上には豚(Puaa)の頭を模した像が置かれていたそう。アフプアアとは、Ahupua‘a、つまり豚の祭壇、を意味するハワイ語なんですね~。

そして! このたびクアロア牧場で、何世紀も前から残っている本物のアフプアアの境界の石垣を見ることができたというわけです。それが冒頭の写真でございます。ちょっと暗いですが、上の方に石垣が伸びていますね? 昔々のアフプアアの境界線が保存されているのは、今ではここだけのよう。

あいにく祭壇は見当たらなかったのですが、それでも。古~い古い、噂?のアフプアアの境界を見ることができて感激! なんだか、とたんにアフプアアが歴史上の語彙ではなく現実的になって、古代ハワイにタイムスリップしたような気分になりました。石垣の左側がクアロア、右側がカアアヴァのアフプアアになるそうです。

ちなみに、牧場に近いカメハメハ・ハイウェイ上にクアロアのアフプアアを示す看板が立っており、そのごく近くに、石垣のようなものがあります。正確にいうと、クアロア牧場の敷地を囲む金網の中になります。が、ここの石垣は、アフプアアの看板の近くにイメージとして復元された、新しい石垣だそうです。本物は牧場のグッと奥にありますので、どうぞご注意くださいね。

コメント
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