森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

火山の女神ペレはお怒りなのか

2014年10月29日 | 不思議譚


マダム・ペレはお怒りなのでしょうか。6月から本格的に流れ出したハワイ島キラウエア火山プウ・オオ火口の溶岩の流れが、先週から加速。ついにパホアの町に到着しました。溶岩流は町の道路を越えて昨日、アンセリウム農園や電柱を焼いたほか、さらに多くの家々が危機に瀕しています。

一時、溶岩流がほぼ止まりつつあり、誰しも「なんだ、今度も大丈夫なのかな?」と思ったとたん。先週になって急に溶岩流が急ピッチで町に迫り、被害が現実化したというわけです。

住民は着々と避難、またはその準備を進めていますし、地元紙によればパホア高校・中学校・小学校などパホアにある公立校5校は、明日で休校に。ほかの町の学校の敷地に仮住まいで授業を始めたり、生徒を他校に振り分けることで、来週以降、授業を再開することになっています。ようするに、これを機にお別れする同級生も多いわけで、子供達にとっても、大変な状況にあるよう。

世界一活発な火山キラウエアの膝元に住む人々の宿命なのかもしれませんが、辛いですね…。友人がパホアの近くに住んでいるので、今後の展開が心配です。

大昔から、こういう事態でカフナや王族が火山の女神ペレに祈りを捧げて助かった…みたいな話がよくありますが、今回はそういうわけにはいかないのでしょうか。古くは1801年。ハワイ島コナのフアラライ火山が爆発した時、カメハメハ大王が祈りを捧げ、溶岩流が止まったという史話があります。

また1881年には、大王の曾孫にあたるルース女王がマウナロア火山の噴火をなだめました。ペレにチャントを捧げ、捧げ物を溶岩に捧げたルース女王。溶岩はその供物を飲みこみ、そのとたん、溶岩の流れが止まったそうです。

ぐっと近年では、(正確な年がわからずゴメンナサイ1960年~70年代?)やはりキラウエアの噴火で、ヒロの町が危険にさらされた時。ハワイ島市郡政府は高名なクムフラ、イオラニ・ルアヒネとジョージ・ナオペに依頼し、ペレに祈りを捧げてもらったそうです。その結果、溶岩は止まり、無事ヒロの町は守られたのでした…。不思議ですね! 

不思議といえば。上の写真は昨日の朝刊からのものなのですが、ちょっとよくご覧ください。ブルーの屋根の家とその敷地を、グルリと避けて溶岩が進んでいますよね。どう見ても…。結果、この家は助かっています。



…自然の災害とはいっても、やはりそこには女神ペレの意向も、存在するのカモしれません。あなたはどう思いますか?

ああ、女神ペレが早く怒りを収め、パホアの人々が町に帰れますように!
 


コメント
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