森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

カウアイ王族の生誕地

2013年11月23日 | 不思議譚


今回のカウアイでは、ワイルア川沿いにあるヘイアウ、ホロホロクーと、バースストーンを見ることが第一の目的でした(ワイルアリバー州立公園内)。バースストーンとは、かつて王族女性がその上で出産したと言われる、神聖な岩ですね。

ハワイ各地にバースストーンがありますが、有名なのは、オアフ島ワヒアワのクーカニロコの史跡。ほかに、マウイ島ラハイナの港の岸壁から数メートル先、海水に洗われる状態のバースストーンも、見たことがあります。またホノルルの名門校プナホウスクールの門前にも、バースストーンが鎮座していますよね。

カウアイのバースストーンはポハク・ホウハナウと呼ばれ、一説によると、カウアイ島の王は皆、この岩のもとで生まれたものとか。

バースストーンに関してよく言われるのは、その岩には産みの苦しみを和らげるマナ(霊力)があるとか、その聖なる岩で生まれた子供には神の加護があるとか、そういった言い伝えですね。

出産の際には岩にラウハラ織りのマットやカパ布が巻きつけられたとのことですが、それにしても。岩の上で出産というのは、どう考えても不快そう! それをあえて実行するからには、よほど「岩の持つマナ」への信仰が強かったのだろうと察します(もちろん、岩のマナだけが出産の苦しみを和らげるのではなく、そこには出産を助ける医療担当のカフナがいたり、ロミロミマッサージが施されたり、薬草が駆使されたりもしたようですが…)。

なにせ昔の出産は女性にとって命賭けの大仕事。なので王族女性は、少しでも神の助けを願った…ということなのかもしれません。

…思えば現代の女性は、快適な病院のベッドで、麻酔による無痛分娩も受けられるのですから、古代のいかなる王族女性よりも恵まれていますよね。いにしえの高貴な女性たちにも、「それってズルイわ~」と文句を言われてしまいそうです。


コメント (2)
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