で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2005回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』
謎の力で連載小説の中の攻撃で現実に殺されそうな社長が娘を探す男に小説家殺害を依頼するファンタジー・アクション・サスペンス。
シュアン・シュエタオの短編小説を映画化。
本国中国で大ヒットした。
主演は、『修羅:黒衣の反逆』のライ・チァイン。
共演は、ヤン・ミー、ドン・ズージェン。
監督は、『ブレイド・マスター』、『修羅:黒衣の反逆』のルー・ヤン。
物語。
誘拐された娘を探し続け、孤独に生きる男グアン・ニンは、ついに誘拐犯を見つけ出す。
グアン・ニンは、その手腕を見込まれ、連続小説と謎のリンクをし、その中で攻撃されると現実に痛みを感じる巨大企業社長から、作中で殺される前に、作者を殺して欲しいと依頼される。
小説内の物語。
剣士コンウェンは姉を殺した赤髪王へ復讐を遂げようと、その居城を目指す。
現実と虚構の二人の男の世界がじょじょに交じり合っていく。
原作:シュアン・シュエタオ
脚本:チェン・シュー、ユー・ヤン、チン・ハイヤン、ルー・ヤン
出演。
ライ・チァイン (グアン・ニン)
ヤン・ミー (トゥ・リン/情報処理担当)
ドン・ズージェン (ルー・コンウェン/剣士)
ユー・ハーウェイ (リー・ムー社長)
グオ・ジンフェイ
トン・リーヤー
ドン・ジエ
シェンディ・ワン (タンジェリン)
スタッフ。
製作総指揮:ニン・ハオ
撮影:ハン・チミン
音楽:ジェド・カーゼル
『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』を鑑賞。
現代中国、謎の力で連載小説の中の攻撃で現実に殺されそうな社長が娘を探す男に小説家殺害を依頼するファンタジー・アクション・サスペンス。
シュアン・シュエタオの短編小説を映画化。
中国で大ヒットした。
トンデモな展開が当たり前のように進む中華的な作劇。ある意味で、スーパーヒーローものでも主人公は現実的な特殊能力として高度な投擲能力をもつ。『デアデビル』の敵であるブルズアイに近い。虚構席は中華幻想小説で異世界の剣士が生きる鎧に取りつかれ、紙になろうとする狂気の王とその配下の特殊能力を持つ剣士たちに立ち向かっていく。
虚構と現実がクロスして、未知なる世界へと昇っていく。
濃いドラマのわりに、けっこう台詞説明だったり、伏線は雑めですけど、伝えたいところはそこじゃないのが明白なので。
虚構世界は高品質なゲームのCGのようではあるが、充分なスペクタクルがある。
こういうザ・CGで壮大さや脳内映像を実現する長宇迦CGの中ではかなり現実的な方向です。
ライ・チァインだけでなく、ヤン・ミー、ドン・ズージェンがみなアクションお見事で、見てるだけでも運動になるほど。
描写は抑えてあるが、けっこうハードな内容だったりします。この辺に語ることの強さがある。
実は、現実における虚構とは何かということを直截的に取り込んだ内容になっており、その答えとして、目を見張るべき思想展開がある。
監督は、『ブレイド・マスター』、『修羅:黒衣の反逆』のルー・ヤンなので、トンデモ描写にもリアリティがしっかり。
NETFLIX版『デアデビル』の影響けっこう感じるので、こちらが好きだった方には特にオススメです。
CG祭りの虚構異世界以上に、現実の街のロケとセットががいいので、大作ならではの楽しみ。
撮影のハン・チミンの渋い画質がしっくりなじむ。
投擲男と小説家と殺し屋チームと情報処理女ごとにそれぞれの世界の映像になるのも面白み。
あ、副題含めの日本題『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』は嘘半分だし、ほぼ出てこないです。説明が難しい内容ではありますが。
現実と虚構スープの陰陽火鍋な父作。
おまけ。
原題は、『刺殺小説家』。
『小説家を殺せ』。
英語題は、『A WRITER'S ODYSSEY』。
『小説家のオデッセイ』。
タイトルは、おいら案なら『王殺し 異世界のペンが剣を呼ぶ』とか中二病的感性満載にするなぁ。
こんな埋もれちゃうタイトルじゃ、中身が全く分からないし、興味がわきにくいわ。
2021年の作品。
製作国:中国
上映時間:130分
映倫:R15+
配給:ツイン