【俺は好きなんだよ】第91回
『光の旅人 K-PAX』(2001)
原題の『K-PAX』は、星の名前。
カテゴライズを阻むSF映画。
スタッフ。
監督:イアン・ソフトリー
製作:ローレンス・ゴードン/ロイド・レヴィン
製作総指揮:ロバート・F・コールズベリー/スーザン・G・ポロック
原作:ジーン・ブリュワー
脚本:チャールズ・リーヴィット
撮影:ジョン・マシソン
音楽:エド・シェアマー
歌:シェリル・クロウ/エルトン・ジョン
出演。
ケヴィン・スペイシー
ジェフ・ブリッジス
メアリー・マコーマック
アルフレ・ウッダード
デヴィッド・パトリック・ケリー
ソウル・ウィリアムズ
ピーター・ゲレッティ
セリア・ウェストン
アジャイ・ナイデゥ
コンチャータ・フェレル
キンバリー・スコット
ヴィンセント・ラレスカ
ブライアン・ホウ
物語。
精神科医マークの元に、身元不明の中年男が患者として送られてくる。
男はプロートと名乗り、自分は地球から1000光年離れた惑星K-パックスからやってきた異星人だと主張する。
架空の星だと思っていたマークだが、実際に、K-パックスに相当する星の存在を教えられる。しかも、その惑星は天文学会にも発表されていない新発見で、研究所で学者を前に、プロートは惑星の正確な軌道まで解説する。
病院内でも、プロ-トはその不思議な魅力で、患者たちの人気者に。
彼は本当に宇宙人なのか?
疑念を抱き始めるマークに、プロートは、7月27日にK-パックスに帰る、と告げるのだった・・・。
しかし、記録では、彼が地球にやって来たのも5年前の同日。
その日に何かが起った、と確信したマークは彼に催眠療法を試みた・・・。
果たしてプロートは単なる精神異常なのか、それとも本当に異星人なのか?
自分を異星人だと名乗る謎の男と、彼を精神病患者として治療する精神科医との奇妙な心の交流をミステリアスに描いたヒューマンドラマ。
主演はハリウッドを代表する演技派ケヴィン・スペイシーと、空想に取り付かれた男を相手にさせたら、右に出るものがいないジェフ・ブリッジス。
監督は『バック・ビート』『サイバーネット』のイアン・ソフトリー。
原作はジーン・ブリュワーによる3部作の小説。
『K-Pax』
『On a Beam of light (K-Pax II)』
『K-Pax III: The Worlds of Prot』
原作を読めば、おのずと謎は解けるのだが、映画では実にそこをくっきりさせずに描いているのが素晴らしいのだ。
SFが苦手な向きにも、実に訴えかける内容になっている佳作。
それは、ケヴィン・スペイシーのなりきり演技のたまものでもある。
サングラスで感情を表すのは、非常に難しいのだが、ソレを的確に利用し、表現している演出と俳優のコラボレーションに唾を飲む。
大人の空想物語を楽しみたい方へ、オススメしたい。