で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1308回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『モリーズ・ゲーム』
オリンピック候補のトップアスリートから一転、20代でセレブ相手の高額闇ポーカーの経営者となる女性モリー・ブルームの驚きの実話を映画化した実録クライム・ドラマ。
主演は、『ゼロ・ダーク・サーティ』、『女神の見えざる手』のジェシカ・チャステイン。
監督と脚本は、アーロン・ソーキン。
『ソーシャル・ネットワーク』、『スティーブ・ジョブズ』などで知られる名脚本家アーロン・ソーキンが初監督でデビューを果たした。
物語。
90~00年代アメリカ。厳しい父親に育てられ、女子モーグルの北米のトップ選手として活躍していたモリー・ブルームは、五輪目前の大事な国内予選で転倒して重傷を負い、五輪どころか選手生命も絶たれてしまう。
その後、大学院進学を休み、LAで1年間の休暇をとることにしたモリーは、ひょんな成り行きからハリウッド・セレブやビジネス界の大物たちが高額を賭けて遊ぶ非合法のポーカー・ゲームでアシスタントをするようになる。
原作は、モリー・ブルームの自伝小説『MOLLY’S GAME』。
出演。
ジェシカ・チャステインが、モリー・ブルーム。
イドリス・エルバが、チャーリー・ジャフィー。
ケヴィン・コスナーが、モリーの父。
サマンサ・イズラーが、モリー(10代)。
マイケル・セラが、プレイヤーX。
ジェレミー・ストロングが、ディーン・キース。
クリス・オダウドが、ダグラス。
ビル・キャンプが、ハーラン。
ほかに、パイパー・ハウエル、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、J・C・マッケンジー、グレアム・グリーン、マシュー・マッテオ、ジョー・キーリー、ナタリー・クリル、クレア・ランキン、アンジェラ・ゴッツ、ジョン・バス、など。
スタッフ。
製作は、マーク・ゴードン、エイミー・パスカル、マット・ジャクソン。
製作総指揮は、レオポルド・ゴウト、スチュアート・M・ベッサー、ワン・チョンジュン、ワン・チョンレイ、フェリス・ビー、ドナルド・タン、ロバート・シモンズ、アダム・フォーゲルソン、オーレン・アヴィヴ。
撮影は、シャルロッテ・ブルース・クリステンセン。
プロダクションデザインは、デヴィッド・ワスコ。
衣装デザインは、スーザン・ライアル。
編集は、アラン・ボームガーテン、ジョシュ・シェファー、エリオット・グレアム。
音楽は、ダニエル・ペンバートン。
00年代米国、オリンピック候補のスキー選手モリーが怪我で引退し闇賭場経営を始める半自伝ドラマ。
20代にして真逆の世界でのし上がった女性を描く。
稀代の脚本家アーロン・ソーキンの監督デビュー作。得意の実録本をソーキン印で脚色し、言葉と時間が飛び回り軽くトランス状態に持って行く。専門用語の説明も入るので初心者も安心。
映画4本分の詰め合わせ。構造はシンプルなのはさすが。
ジェシカ・チャステインとイドリス・エルバの高速丁々発止はほぼ試合。マイケル・セラの意外さ、サマンサ・イズラーが発見。
待ち受ける映画的邂逅の強さ。
ただし、案外にメリハリが少ないのが演出の若さを感じる。次が楽しみ。デビュー作でとにかくやりたいことをぶち込んだ感じ。この青さが楽しい。
もはや見ること自体がゲームの読み合いのような札作。
おまけ。
原題は、『MOLLY’S GAME』。
『モリーのゲーム』。
このゲームは、賭け事であり、試合であり、勝負ってとこですかね。
上映時間は、140分。
製作国は、アメリカ。
キャッチコピーは、「セレブを虜にしたのは、華麗なる破滅。」。
ややネタバレ。
映画史上最速であろう言葉量が幻惑的。
元々、アーロン・ソーキン作品は早めですが、他にも『幕末太陽傳』とか『ヒズ・ガール・フライデー』とかも早かったね。
ネタバレ。
ただ早いだけでは、意味が薄いのです。
そこに、含みや暗喩、視点が入ってるから、アーロン・ソーキンの脚本は素晴らしいのです。
ラストの感じが、どことなく『ゼロ・グラビティ』っぽい。