菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

狂えるファッション・アナーキスト。 『クルエラ』

2021年06月06日 00時00分37秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1889回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

『クルエラ』

 

 


70年代英国、ファッションデザイナーを夢見て都会に来た少女が悪女“クルエラ”へ変貌していくピカレスク・ドラマ。

ディズニーの名作アニメ『101匹わんちゃん』(1960)に登場するヴィラン(悪役)“クルエラ”の誕生譚を実写映画化。

主演は、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーン。
共演は、エマ・トンプソン。

 

監督は、『ラースと、その彼女』、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』の奇才クレイグ・ギレスピー。

 

 

物語。

親を亡くした少女エステラは、ファッション・デザイナーを目指してパンクムーブメント吹き荒れるロンドンへとやって来る。そしてロンドンで最も有名な百貨店リバティに潜り込んだ彼女は、やがて伝説的なカリスマ・デザイナーのバロネスに出会うと、その斬新な発想力と度胸の良さを買われ、彼女の下で働き始めるのだったが…。

 

原作:ドディ・スミス 小説『The One Hundred and One Dalmations』からキャラクターのクルエラを抜粋
原案:アライン・ブロッシュ・マッケンナ、ケリー・マーセル、スティーヴ・ジシス
脚本:デイナ・フォックス、トニー・マクナマラ

 

 

 

出演。

エマ・ストーン (エステラ/クルエラ・ド・ビル)

エマ・トンプソン (バロネス)
エミリー・ビーチャム (母のキャサリン)

ジョエル・フライ (ジャスパー)
ポール・ウォルター・ハウザー (ホーレス)

カービー・ハウエル=バプティスト (アニタ・ダーリング)
ジョン・マクリー (アーティ)
マーク・ストロング (ジョン・ザ・ヴァレット)

ティッパー・セイファート・クリーブランド (12歳のエステラ)
ジギー・ガードナー (12歳のジャスパー)
ジョセフ・マクドナルド(12歳のホーレス)
フロージア・カマラ (12歳のアニタ)

 

 

 

スタッフ。

製作:アンドリュー・ガン、マーク・プラット、クリスティン・バー
製作総指揮:エマ・ストーン、ミシェル・ライト、ジャレッド・ルボフ、グレン・クローズ

撮影:ニコラス・カラカトサニス
プロダクションデザイン:フィオナ・クロンビー
衣装デザイン:ジェニー・ビーヴァン

音楽:ニコラス・ブリテル
音楽監修:スーザン・ジェイコブス

 

 

『クルエラ』を鑑賞。
70年代倫敦、ファッションデザイナー志望の少女が悪女“クルエラ”へ変貌していくピカレスク・ドラマ。
ディズニーの名作アニメ映画『101匹わんちゃん』に登場するヴィラン“クルエラ”の誕生秘話を実写映画化。
クルエラを語りに置くことで、アニメや『101』とのズレを許容させている。70年代のイギリスといえば、パンクなので、そこをがっつりと取り入れている。
そして、バトルもファッションバトルを中心に。
一筋縄ではない寓話を語り上げたのは奇才クレイグ・ギレスピー。
なんといってもエマ・ストーンがパンクな魅力で引きずり回す。それとがっつり立ちはだかるエマ・トンプソン。このエマエマバトルはおとぎ話版『プラダを着た悪魔』の趣き。脇もきっちり実力派で固めて、くっきりりと見せてくれます。コミカルさもスリラーもかっつり。
画面とファッションを見ているだけで、ずっと目が楽しい。
ディズニー実写化シリーズのビジュアルは本家がアニメの再現になりがちなところ、ヴィラン側は新奇でひねくれていて、刺激的よね。
ガンガン展開する一人の女性の人生は、さながら夜の連続テレビ小説。クルエラの精神的変化にこっちの心もぐらんぐらん揺らされます。
音楽で状況と心情を聴かせるスタイルはディズニーアニメの変奏であり、『アメリカン・グラフィティ』の現代版。選曲とアレンジがセンスバリバリ。
犬の芸にもにやにや。
ああ、楽しかった。
心のパンクが指を立てる毛作。

 

 

 

 

 

おまけ。

原題は、『CRUELLA』。
『クルエラ』。

 

2021年の作品。



製作国:アメリカ
上映時間:134分
映倫:G

 

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン  
 

 

 

ネタバレ。

1960年のアニメ版とも、実写版の『101』(1996)版とも、実はつながっていないのだが、語り部をクルエラ自身にしているので、彼女の主観よりはなしになっているため、つながりはそのズレとして許容できるようになっている。
これは、『ジョーカー』などでもそうして、話の整合性がつかなくても許容できるようにする常套手段。
いわゆる、「信頼できない語り部」ってやつですね。

1960年のアニメ版も犬のポンゴによる語りによるものなので。

 

違いとしては……。
アニタが黒人で記者になっている。
ロジャーが元弁護士。
クルエラは偽名。

 

もしかしたら、アーティかジョンが、パーシバルなのだろうか。

 

エステラといえば、エステラ・ウォーレンを思い出していた。
最近もTVで活躍してるみたいですよ。

 

 

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