で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2093回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』
遺伝子再生で復活した恐竜が地上に溢れ、人間は自らの科学力と向き合う羽目になるSFアドベンチャー。
『ジュラシック・パーク』シリーズ三部作の後を受け、2015年に始まった『ジュラシック・ワールド』シリーズの最終章。
主演は、クリス・プラットとブライス・ダラス・ハワード。
共演は、ディワンダ・ワイズ、マムドゥ・アチー、BD・ウォン、イザベラ・サーモン。
ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラム、サム・ニールというオリジナル『ジュラシック・パーク』シリーズの主要キャストも再登場。
監督は、『ジュラシック・ワールド』のコリン・トレヴォロウ。
物語。
イスラ・ヌブラル島の大噴火から4年。
オーウェンは人里離れた山奥でクレアと14歳になったメイジーと3人で暮らしていた。
ある日、オーウェンは我が子を連れたブルーと再会する。ところがその矢先、ブルーの子どもが何者かに誘拐されてしまい、ブルーは怒り狂う。そんなブルーにオーウェンは必ず子どもを取り戻すと約束する。
そんな中、イナゴの大発生による農作物被害を調査していたエリー・サトラー博士は、バイオテクノロジー分野の巨大企業バイオシンが関係していると疑念を抱く。
そこで、アラン・グラント博士に助言を求める。
キャラクター創造:マイケル・クライトン
原案:デレク・コノリー、コリン・トレヴォロウ
脚本:エミリー・カーマイケル、コリン・トレヴォロウ
出演。
クリス・プラット (オーウェン)
ブライス・ダラス・ハワード (クレア)
イザベラ・サーモン (メイジー・ロックウッド)
ローラ・ダーン (エリー・サトラー博士)
サム・ニール (アラン・グラント博士)
ジェフ・ゴールドブラム (イアン・マルコム博士)
キャンベル・スコット (ルイス・ドジスン)
ディワンダ・ワイズ (ケイラ)
マムドゥ・アチー (ラムジー)
BD・ウォン (ヘンリー・ウー博士)
オマール・シー (バリー)
ディーチェン・ラックマン (ソヨナ・サントス)
ジャスティス・スミス
スコット・ヘイズ
ダニエラ・ピネダ
スタッフ。
製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、アレクサンドラ・ダービシャー、コリン・トレヴォロウ
撮影:ジョン・シュワルツマン
プロダクションデザイン:ケヴィン・ジェンキンズ
衣装デザイン:ジョアンナ・ジョンストン
編集:マーク・サンガー
音楽:マイケル・ジアッキノ
テーマ曲:ジョン・ウィリアムズ
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』を鑑賞。
近未来世界、復活した恐竜が地上に溢れた地球を描くSFアドベンチャー。
『ジュラシック・パーク』シリーズ三部作に続く『ジュラシック・ワールド』シリーズ三部作で最終章。
前作(第5作)で拡大した野に放たれた恐竜を巡る物語になっている。だが、これは第3作でも描かれていた(海を渡る翼竜が描かれる)ことなので、ようやくという感はある。結局、リブートシリーズは全シリーズの装飾版になっていた。
今s買うは、シナリオや演出はそこそこと言える。スリラーのほとんどはご都合的な古典的解決で半世紀前の作法にならっているかのようだ。(80年代ものが受けているからだろうか)
このシリーズは恐竜スリラーだと思われがちだが、真の見せ場はその前にある。それは滅びた生物が蘇ったことで自然の中に再び存在して屹立している姿を映した詩情なのだ。多くの恐竜ものモンスターパニックが、そこを描けてこなかった。(これはゾンビものにも通じる) モンスターがこの世に存在して生き生きした姿を映し出していることが『ジュラシック・パーク』の最大の魅力だったんです。『3』の失敗は、それがラストまで少ないことだと言いたい。『4』も屋敷と恐竜が主になり、同じ轍を踏んだ。今作は、それを広げ、恐竜のいる風景を描いた点に魅力がある。そりゃあ、それも『1』『2』に比べたら少なく、ジオグラフィック的な感じになってしまったのはあるけども、最新技術で堂々とそこを描写した点には拍手を贈りたい。
だが、それだけではもたないので人間ドラマも入れなきゃならないのだが、それがまた薄い。主人公は、トリオが二組。『Jワールド』班のクリス・プラットとブライス・ダラス・ハワードとイザベラ・サーモン。『Jパーク』班のローラ・ダーン、サム・ニール、ジェフ・ゴールドブラムで、映画1.5本分の分量なんだが、ドラマは薄目で1.5人前のカップ麺のよう。
監督は、『ジュラシック・ワールド』のコリン・トレヴォロウで、『スターウォーズⅨ』の降板を受けての、『ジュラシック・ワールド』からの再登板となる。
どこか『スターウォーズ』的なスリラーになっているとも言えるのは、そういうモードだったのか、恐竜ならではのスリラーと言えるほどのものにはなっていないが、大作ならではの派手なカメラワークと最新技術の画面は目を楽しませてくれる。どこかで恐竜を下に見る感じが全シリーズとの大きな違いで、そこはテーマの描き方にもつながり、無念という他ない。
リブートは一旦終章を迎えたが大ヒットもしているので、また時間をおいて、全く違うリブートをするかもしれない。『クレタシウス(白亜紀)・パーク』とかにしてね。何しろ、白亜紀の恐竜多かったから。
語り方次第なのは、同アニメシリーズ『サバイバルキャンプ』の出来からもいえるので。
撮影も美術も流石。
空間描写が狭く、世界の広さが感じにくいのはやや難あり。
大音響と巨大生物はスクリーンでの鑑賞に向いてはいるし、夏の清涼には充分ともいえる。
恐竜もたくさん出るので、好きな子供には楽しいことでしょう。
恐竜の郷愁を行く理由にする蝗作。
おまけ。
原題は、『JURASSIC WORLD: DOMINION』。
『ジュラ紀世界:支配』。
2022年の作品。
製作国:アメリカ
上映時間:147分
映倫:G
配給:東宝東和
このシリーズとにはNETFLIXでアニメシリーズ『ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ』も展開しており、第5シーズンが終わったところ。児童向けだが、凝った内容で本家よりもシナリオの出来はよいと言える。本家『5』『6』でも出てきた、ある重要なファクターが描かれており、特にその使い方はが、アニメの方が上手い。
ややネタバレ、
コリン・トレヴォロウは、現場態度に難ありのようですが、今作では『4』からの再起用なので、作品によるタイプなのかも。
小品『彼女はパートタイムトラベラー』から、一気に超大作への起用と成功で疲弊していたのかしら。
グラント博士が帽子を拾うのは『インディ・ジョーンズ』のオマージュですね。
ネタばれ。
オーウェンのストップサインがもはや遺伝子レベルで刷り込んだような効き方。
定義では、恐竜ではない、爬虫類や古生物も多く出ている。
結局、メイジー=人間のクローンは何の解決もしてない。
メイジーが工事現場で恐竜を逃がすシーンには畏敬の念がある。
オーウェンも恐竜と約束するように畏敬の念がある。
主人公側にはまだ畏敬の念があるのだが、映画全体には少ないのよね。
毛皮恐竜がしっかり出てくる。