菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

はじめては恥めで。 『恋のプロトタイプ』

2014年08月13日 00時00分40秒 | 映画(公開映画)
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第593回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『恋のプロトタイプ』








友人の中村公彦の念願の長編デビュー映画『恋のプロトタイプ』の公開最終日に駆け込む。
 
仮想恋愛にのめり込む若者が現実の恋愛にぶち当たる物語。
中村公彦がことあるごとに描いてきた不器用なラブストーリーが悲しいコメディとして、結実している。


 
『her』のようだという弁もあるが、物語の構造も、関係を肉体性へと落とし込んでいるところも、まるで逆で、設定の類似に過ぎない。



脚本が立ちすぎ、映画的な躍動(特に絵作り、美術、編集など)は少々物足りないものの、製作状況を考えれば、それも選択なのだろうとは思う。
役者のはまり具合は、さすが。
遅れてきた新人監督として老獪さを披露して見せたとも言える。
職人的なスタイルは彼の良性なので。






上映時間:87分
製作国:日本


スタッフ。
監督:中村公彦
製作:松下順一
企画:高崎正年
プロデューサー:小貫英樹/奥野邦洋
アソシエイトプロデューサー:田中忍
脚本:中村公彦
撮影:宮永昭典
音楽:與語一平
主題歌:CLipCLover
録音:荒井保/國分玲/春本一大
助監督:清水理俊


出演。
櫻井拓也
星咲優菜
阿部隼也
堀有里
杉原憂
原田祐輔
米本千晴
山本宗介
原彩咲
世志男
柳東史
倖田李梨
津田篤







 
ついに、現実の映画作りにぶつかった彼はどういう思いだったのか、introで記事になっているので、そちらもどうぞ。
http://intro.ne.jp/contents/2014/08/04_0005.html



とにかく、おめでとう!!





















おまけ。

映画内での仮想恋愛であるラブ:プロトタイプは、実写ベースの恋愛シミュレーションで、これはアイドルもの以外では異質であり、肉体的な指向がそもそも提示されている。

今作は、SFではなく現実の日本におけるラブストーリーで、『her』は知的な進化を遂げるAIとの恋愛だけでなく、対象の姿を出さないことで愛情が肉体を凌駕していくSFになっており、別の隠喩が現れる構造を持っている。

ま、おいらはSFへの偏愛があるからなぁ。




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