で、ロードショーでは、どうでしょう? 第833回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ブリッジ・オブ・スパイ』
一触即発の緊張状態にあった米ソ冷戦時代に、実際に行われたスパイ交換をめぐる驚愕の実話をマット・シャルマンとコーエン兄弟の脚本、スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演で映画化した緊迫と感動のサスペンス・ドラマ。
物語。
ごく普通の一民間人でありながら、スパイ交換の交渉役という一歩間違えれば自らの命はおろか、かろうじて保っていた世界平和さえ崩壊させかねない極秘任務を託された主人公が、弁護士としての矜持と信念を支えに、絶体絶命の難局に立ち向かっていく姿をスリリングに描く。共演はマーク・ライランス。
物語。
米ソ冷戦下の1957年、ニューヨーク。
ルドルフ・アベルという男がスパイ容疑で逮捕される。
国選弁護人として彼の弁護を引き受けたのは、保険を専門に扱う弁護士ジェームズ・ドノヴァン。
ソ連のスパイを弁護したことでアメリカ国民の非難を一身に浴びるドノヴァンだったが、弁護士としての職責をまっとうし、死刑を回避することに成功する。
5年後、アメリカの偵察機がソ連領空で撃墜され、アメリカ人パイロットのパワーズがスパイとして拘束されてしまう。
アメリカ政府はパワーズを救い出すためにアベルとの交換を計画、その大事な交渉役として白羽の矢を立てたのは、軍人でも政治家でもない一民間人のドノヴァンだった。
交渉場所は、まさに壁が築かれようとしていた敵地の東ベルリン。
身の安全は誰にも保証してもらえない極秘任務に戸惑いつつも、腹をくくって危険な交渉へと臨むドノヴァンだったが・・・。
脚本は、マット・シャルマン、イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン。
出演。
トム・ハンクスが、弁護士のジェームズ・ドノヴァン。
マーク・ライランスが、スパイのルドルフ・アベル。
本作の演技で数々の映画賞に輝いた英国の実力派舞台俳優、
エイミー・ライアンが、妻のメアリー・ドノヴァン。
アラン・アルダが、弁護士のトーマス・ワッターズ。
スコット・シェパードが、ホフマン。
セバスチャン・コッホが、ウルフガング・ヴォーゲル。
オースティン・ストウェルが、空軍パイロットのフランシス・ゲイリー・パワーズ。
ウィル・ロジャースが、フレデリック・プライヤー。
ミハイル・ゴアヴォイが、イワン・シーシキン。
ほかに、ドメニク・ランバルドッツィ、ノア・シュナップ、イヴ・ヒューソン、ジリアン・レブリング、ピーター・マクロビー、など。
製作は、スティーヴン・スピルバーグ、マーク・プラット、クリスティ・マコスコ・クリーガー。
製作総指揮は、アダム・ソムナー、ダニエル・ルピ、ジェフ・スコール、ジョナサン・キング。
撮影は、ヤヌス・カミンスキー。
プロダクションデザインは、アダム・ストックハウゼン。
衣装デザインは、カシャ・ワリッカ・マイモーネ。
編集は、マイケル・カーン。
音楽は、トーマス・ニューマン。
ソ連のスパイの弁護をすることになったアメリカ人弁護士が挑む奇妙な水面下の戦いを描く。
スピルバーグ×コーエン兄弟(&マット・シャルマン)の歴史の影に物語ありな実話の映画化。
重厚なドラマにより自由なスタイルで挑んでおり、いつもとは違った撮影やカット割りが軽みになり、ユーモアが素直で心地よい上、スピルバーグ印の視点演出もまろみがあるが,それもみな支える芯の強さゆえ。
太い橋脚を思わせる傑作。
おまけ。
原題は、『BRIDGE OF SPIES』。
上映時間は、142分。
製作国は、アメリカ。
キャッチコピーは、「その橋を踏み外せば世界が終わる。冷たい戦争を止めたのは、ひとりの男のやさしさだった。」