【俺は好きなんだよ】第76回
『青春デンデケデケデケ』(1992)
「デンデケデケデケ」はエレキギターの元祖『ベンチャーズ』の曲の口リフ。バンド映画の傑作。
スタッフ。
監督:大林宣彦
製作:川島國良、大林恭子、笹井英男
プロデューサー:大林恭子、小出賀津美、福田慶治
原作:芦原すなお
脚本:石森史郎
撮影:萩原憲治、岩松茂
美術監督:薩谷和夫
編集:大林宣彦
音楽:久石譲
音楽プロデューサー:笹井一臣
助監督:竹下昌男
出演。
林泰文
柴山智加
岸部一徳
ベンガル
大森嘉文
浅野忠信
永堀剛敏
佐藤真一郎
滝沢涼子
原田和代
梶原阿貴
高橋かおり
根岸季衣
日下武史
尾藤イサオ
入江若葉
水島かおり
河原さぶ
天宮良
安田伸
尾美としのり
佐野史郎
勝野洋
ほか。
物語。
1965年の春休み。四国・香川県の観音寺市。
高校入学を目前に控えたちっくんこと藤原竹良は、昼寝の最中にラジオから流れてきたベンチャーズの曲『パイプライン』の“デケデケデケ~"という音にまさに電撃的な衝撃を受ける。
そして、、高校に入ったらロックバンドを結成することに。
行動の末、浄泉寺の住職の息子・合田富士男、ギターの得意な白井清一、ブラスバンド部の岡下巧、そして、ちっくんと4人のメンバーが揃う。
夏休みに、それぞれアルバイトで稼ぎ、念願の楽器を購入し、バンド名も【ロッキング・ホースメン】と決める。
こうして、本物のエレキギターの音が、初めて、町にこだまするのだった。
機械いじりが得意で手製アンプを作ってくれたしーさんこと谷口静夫という名誉メンバーも加わり、河原での合宿もうまくいき、学内での活動も認められ、女の子たちの人気の的にもなった。
スナックの開店記念パーティで念願のデビュー。ロックバンドに明け暮れる高校生活はあっという間に過ぎていくのだった。
ロックバンドに情熱を燃やす60年代の高校生たちを軽快に描く青春ドラマの傑作。
第105回直木賞を受賞した芦原すなおの同名小説が原作。
特別出演するベンチャーズの『パイプライン』をはじめ、60年代のロック・ミュージックが全編に散りばめられていて、当時の空気を吸わせて、酔わせる。
少女の気持ちを描くのに関しては岩井俊二を圧倒的に上回って余りある大林タッチが、男子高校生の心情を描くのに回る時、ソコにはなんともいえないノスタルジーと普遍の切なさが表現された。
異端でありながら、邦画の最良の作品。
音楽の楽しさをベース、男子高校生のバカさをドラム、人間模様をギター、青春の甘酸っぱさをボーカルに奏でる邦画最高峰のバンドアンサンブル。
大林タッチが苦手な方にこそ、ぜひお薦めしたいし、10代の内に見とけと言えるし、かつて10代のだった人にも大プッシュの傑作なのである。
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